不明だった点はすぐに氷解し、その場でサインし印鑑を押して後は保険料を振り込みさえすれば完了する。
そこで話題になったのが地震保険のこと。
首都圏が大きな地震に襲われる可能性が高まっているというのに、わが家がなぜ地震保険に未加入なのかと尋ねられ、加入を勧められたのだ。
で、ボクは質問してやったのだ。
首都圏で起きる地震災害での保険金支払限度予定額はいくらかと。
すると「ほぼ11兆円です」と担当。
じゃぁ首都圏の世帯数は? とボク。
「どのくらいでしたかね。いま手元に数字がないので…」
ん! ちょっと頼りなくないかい。
国交省のホームページで見たら東京、千葉、埼玉、神奈川の一都三県の2005年の世帯数は約1723万世帯だそうだ。
この地域は学生や独り暮らしの若者が多いので、持ち家ではなく、ほとんどアパートやマンション暮らしだろう。
とすると家主は保険を掛けていても個人で火災や地震の保険に入っているとは考えにくい。
となると、どのくらいの加入率なのか知りたいところだが、首都圏の世帯数も知らないのだから聞いても無駄だろうと思って止めておいた。
仮に火災保険が50%、地震保険が20%の加入率として計算すると地震保険の加入世帯は344万世帯という推計が成り立つ。
11兆円をこの数字で割って1世帯当たりいくらになるかざっと計算してみると約320万円にしかならない。
地震保険の場合は火災保険と違って被害の程度に合わせて細かな査定があるわけでなく、例えば「全壊」「中破」「小破」「軽微」というような大雑把な分類(こういう名称だかどうか知らない)でそれぞれに支払われる仕組みである。
しかも、どんなに被害が拡大しても支払われる保険金総額の限度額は11兆円までである。それ以上はビタ一文でない。
総額が決まっているのだから全壊したり大破してしまっても保障される金額はたかだか7桁程度の数字にしかならないのだ。
にもかかわらず、地震保険の掛け金はかなり割高である。
地震保険に加入している人は高い掛け金を支払いながら、いざという場合にいくらくらい支払われるか知っている人が少ないのだと思う。
この辺りは保険会社のずるい所だ。
「そういうことだろう?」と件の担当に尋ねると、首をこっくりさせてうなずき、「よくご存じですね」と感心する。
ボクの場合はちょうど20年前に家を建て替えた時にその事実を知って、ならば地震に強い家を建てればいいのだと思い、地震に強いと言われるメーカーの住宅を注文したのだ。
幸いなことにわが家の立地は固い岩盤の上に在り、その岩盤にしっかりと基礎が打ち込まれているから、その意味でも揺れに対する安全性は高いと思っている。
考え方としては家の建設費が割高でも、もっと割高な地震保険を払い続けていくよりずっとましだろうと判断したわけで、担当にそう説明してやったら「オソレイリマシタ」と言ってびっくりしていた。
一度保険会社の担当を呼びつけて大地震に遭った場合にいくら支払われるかきちんと聞いてみると良い。
「被害の程度に見合った金額をお支払いしますよ」などという答えが返ってきたら、それは真っ赤なウソの訳で、即刻解約ですな。
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背が低い…
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