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平方録

炎帝とスキップしてきた♪

日曜日の昼下がり、午後2時過ぎの炎天下に散歩に出る。

リタイアした年に娘から貰ったアウトドアの有名ブランドのつばの付いたグリーンの帽子をかぶり、撮影用のスマホとペットボトルに水を入れて家を出る。

普段は孫娘に会いに行った時にアメリカ・オハイオ州のロゴマークの入ったキャップをかぶるか、自転車の場合はサンバイザーのことが多い。

しかし、さすがに歩く場合はよりたくさんの影が期待できるつば広の帽子の方がよさそうだと思う。

歩き出すと、元々たくさんの人が行き交うような場所ではないが、それにしても人に会わない。

田んぼの脇に沿った道を歩く…

曲がりくねった山裾の道に入り、フライパンの上で転がされる卵の気持ちを思い、人と出会わぬまま寺の山門をくぐる。

つい数日前までは鉢で育てているハスの花が結構楽しませてくれたが、既に蓮口ばかりが風に揺れるようになってしまった。

寺を出て更にトボトボと歩いて池と森の公園に向かう。

ゆるくだらだらした上り坂が続くので、惰性で歩くという訳にはいかない。

ちゃんと足の裏で地面を蹴るが如く、足跡を刻むが如く、ふくらはぎの筋肉を緊張させなければ前に進んで行かない。

暑さ嫌いの人はたぶんうんざりするのだろうが、ボクの場合はへっちゃらなのだ。

ジリジリと素肌に突き刺すような太陽の光をむしろ「炎帝がボクにエネルギーとともにエールを届けてくれている」というくらいに受け止め、進む力になる♪

だからこうやって炎天下に散歩に出たりするのだと思う。

家にじっとしているのがもったいない。

太陽が呼んでいるんだもん…と口にしようものなら、あいつは遂に狂ったかと思われるかもしれないが、本人はまじめにそう思っている。

この分だと森の中にも人影はないだろうなと思いつつ、梢を渡る涼風を感じながら緑の木陰で小休止していると、一人二人と姿を見かけたのは、家にいるよりこちらの方が心地よいという人たちかもしれない。

もしかしたら同類かもしれない。

3時を回るころからヒグラシが鳴き始めると、より一層涼風が感じられるようになる♪

緑の風に十分染まったころ、軽く決心して200段近い急階段を登る気になる。
南寄りの風がそこそこ吹いているから高台に上れば富士山が見えるかもしれないと。
椎間板ヘルニアの痛みはほとんど消えているが、まだ筋肉は元に戻っていないし、心肺機能も低下してしまったので、途中で一呼吸入れながらしか登れなかった。
息を切らして登り切ったその先に広がっていたのは…
 
 

眼下に見えるのは江ノ島 背後に横たわる陸地は伊豆半島


上空は晴れているのだが、伊豆半島方面には雲が出て霞んでもいる


真西方向もまた同じ 箱根連山と丹沢山塊を従えた富士山が画面中央にスックとそびえ立つ大パノラマが広がっているはずなのに…


丹沢山塊はかろうじてうすぼんやりと見えてはいた


まだどこかに梅雨の空を引きづっているような空模様だ


梅雨と夏の境目なんだろうか?


あんな雲 


こんな雲


こっちは「もう秋…」みたいな雲…
 
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