2週連続で日曜日は北鎌倉の円覚寺。
先週は夏期講座最終日だったが、昨日は毎月第二日曜日定例の日曜説教坐禅会。
横田南嶺管長の説教を聞き、坐禅をしてきた。
久しぶりの事だったが、大きな変化が2つあった。
一つは大方丈での管長の立つ位置が変わり、御本尊の斜め前に演台が置かれていて、これまでと比べレイアウトが右に90度変更されていたこと。
これで集まった善男善女は真正面にご本尊を仰ぎつつ、管長の話に耳を傾けられるようになった。
ボクが円覚寺に通い出した2014年7月以降、初めてのレイアウト変更である。
変化のもう一つが、説教開始前の読経の復活。
大方丈を埋めた500人近い善男善女が「礼賛文」「開経偈」に始まって「般若心経」「白隠禅師坐禅和讃」などのお経を声をそろえて唱えると、結構迫力があったものだが、これがコロナで中止されていたが、めでたく復活した。
この読経の復活は脱コロナの象徴と言ってもよく、3年ぶりに日常が戻ったと言えるだろう。
もっとも、先月第二日曜日の説教坐禅会を休んだので、その時点で変わっていたのかもしれない。
何はともあれ、レイアウト変更という目に見える変化を含めて、新たな一歩の始まりと言うことができるだろう。
こうやって伝統と言うものは受け継がれて行く。
坐禅会終了後、境内をパトロール
この日は朝から雨が降っていて、黄梅院までくる観光客の姿は少なかった
黄梅院山門下の掲示板に張り出されている坂村真民の詩(揮毫は横田南嶺管長)
この時期、黄梅院に咲く花はわずかなアジサイが目に留まるだけ
一方で、境内にはあちこちにアジサイが植えられている
特に山門から仏殿、大方丈…などと一直線上に配置された禅寺特有の伽藍を貫く一本道沿いは目の高さに植えられていて目を引く
多分珍しい品種も混じっているのだと思う
鎌倉のアジサイといえば明月院とか長谷寺を思い浮かべる人が多いかもしれないが、ここも捨てたものではない
何しろ、雨に濡れるアジサイと言うのは寺という舞台に良く似合う
如意庵の下を通りかかると椅子の上にポスターが置かれている
誰かの作品展らしい
隣のイスに「カフェもやってます」の案内が…
普段拝観できない場所だけに、のぞいて見るかという気になる
苔がきれいな斜面に沿って石段を上がる
門をくぐると苔に彩られた手入れの行き届いた庭が出迎えてくれる
雨に濡れたコケや若葉がとても美しく、「ゆっくりとお茶の飲みながら庭を眺めよう」という気が強くなる
堂内に入ると作品展の作品が廊下に展示されていて、右側の濡れ縁に敷かれた緋毛氈が茶席になっていた
庭を眺めながらのお茶にはねがってもないシチュエーションである♪
注文したのは抹茶と和菓子のセット(アジサイの花添え)
涼しげなうちわも用意されていた
こういう風景の中で坐禅するのもオツだと思う
雨にしっとり濡れる庭の苔というものは美しいものである♪
龍隠庵へ登っていく崖沿いのイワタバコも雨に濡れて生き生き咲いている
岩から染み出す水滴もまた風情を添える
龍隠庵から見た円覚寺境内
右奥が山門、左奥は仏殿、仏殿の手前の茅葺屋根は選佛場、さらに山門手前は松嶺院(松嶺院にはオウム真理教の怪しさ危険性に最初に気付き、追及を始めた坂本提弁護士とその妻と幼い息子の3人が教団に襲われ、殺害されるという悲惨な事件が起きた その一家3人が眠る墓がここにある)