そのうちの１人が、今夏、山口県の周防大島で行方不明になった男児をアッという間に発見し、スーパーボランティアとして有名になった尾畠春夫さん（７８）。
「お金が好きです。世の中で３番目か４番目くらいに好きです。頂いたご恩返しをするためボランティアをしたいので必要です。貯金はなく、月５万５千円の年金で生活していますが、やりたいことをやるのに足りるので十分です。１番大事なものは健康で、２番目は愛です！ 子どもが「お父さん」、５人の孫が「おじいちゃん」と言ってくれる瞬間と、人と会って話をしている時が幸せです」
小学校５年生くらいで母親を亡くし、７人兄弟の真ん中だった大飯ぐらいの尾畠さんだけが奉公に出され、中学にはほとんど通えなかったそうだ。
「卒業証書はいりません。身体で飯を食うていく」と担任の先生に言うと「先生は自分の首をかけて出席日数を改ざんしてくれて」卒業証書を渡してくれたのだという。
「うれしかったですねぇ～」
中学卒業後は別府市内の魚屋で３年、下関でフグを取り扱う修行を３年やった後、神戸に出て魚屋の店員募集の張り紙を見て応募。
保証人もいないと言ったら、魚をさばいてみろと言われハモやタチウオをさばいてみせたところ「今からすぐ働け」と言われ、別府で２００円、下関で３００円だった給料が一挙に６０００円ももらえたそうだ。
同い年だがその店で６年働いている先輩と同じ額の給料だったので申し訳なくて「下げてください」と親方に言うと、「ガタガタ言うな」と一喝されたのだとも。
東京でのとび職経験を経て２９歳で故郷の別府に戻り、魚屋を開き６５歳まで働いた。
「お客さんがお客さんを連れて来てくれて、一度も赤字になったことはありません。おまけをすると、別の機会にそれ以上の魚を買って行ってくれるんです」
「『かけた情けは水に流せ、受けた恩は石に刻め』という言葉が好きです。私は出会いに恵まれ、２人の子どもを育てるのに十分なお金も稼げました。世間に広く恩返ししたいと６５歳で店をたたみ、魚の供養をして慰霊登山や奉仕に力を入れ始めました。人の人生に役立たせてもらえるなら、何でもやります。奉仕の種をまいて、芽が出て花が咲いて実がなれば、という思いです」
「将来は沖縄のガマに行き、骨をきれいに洗わせてもらいたい。中学は合わせて４か月しか登校」できなかったので８５歳になったら夜間学校にも行きたい。国語辞典や漢和辞典は車に乗せてボランティア先にも持っていきます。勉強したいという思いがあります」
「そしてあの世に行ったら母ちゃんに甘えたい。でも、やりたいことはまだまだたくさんあります。最低でも、後５０年は生きたいですね。がははははは」
こういう人を禅の世界では「無事の人」「無事是貴人」というらしい。
求める心のない人のことで、凡人は欲を漲らせて右往左往するものだが、この記事を読んで「あぁ、こんな人もいるんだ」と痛く感心させられてしまった。
そして「母ちゃんに甘えたい」というところでちょっとウルッときた。
昨日、円覚寺での坐禅の後、鶴岡八幡宮に立ち寄ってみると七五三やら結婚式で大賑わいだった
本殿下の舞殿前で式を終えたばかりのカップルと親族が記念撮影している
その１００メートルくらい後方からは新たに式を挙げるカップルが参道を舞殿方向に進んでいる
さらに後方１００メートルの地点では交差点を渡り切ったばかりのカップルが進んできた
これではまるでラッシュ時の山手線並みの運転間隔、いや元い、結婚式ラッシュ！ こんな光景初めて見た
どうやって捌くんだろう。ま、ともかくオメデトウゴザイマス！
