ときどき薄日は漏れるものの肌寒く、気分の盛り上がらない朝を迎えた。
冷たい風も吹いていたから自転車には不向きだし、尾根道を歩いたところでまだ初音が聞けるわけでもなさそうだ。
おまけに山の神も出掛けてしまった。
コタツのシミにも飽きてきた。
どこかフラフラしてこなければ…
こんな薄ら寒い日は温泉に浸かるのが一番か…
稲村ケ崎に真っ黒の湯が沸く自然温泉があってお気に入りの一つだが、近すぎて新鮮さに欠ける。
少しドライブがてらと言うことになると箱根とか湯河原辺りまで足を延ばすかという選択肢もあるが、外国航路の大型船が行き交うのを湯船の中から見るというのも悪くない。
国道134号に出て逗葉新道経由で横浜横須賀道路に乗ると、あっという間に終点の馬堀海岸に出る。
わが家から40分くらい。
その出口の脇に温泉施設がある。
駐車場に車を停めようとしてビックリした。
かなり広めの駐車場は5分の1を残すだけで車で埋まっている!
水曜日の正午をちょっと回った時刻。
土曜や日曜ならいざ知らず、平日にこの混み具合は一体どうしたことか…
今のところ日本が平和なのはわかっているが、それにしたって…
ここに来るのは平日ばかり。
何時だって駐車場を埋める車は広いスペースの4分の1程度。
お陰でゆったり湯に浸れたものだった。
よっぽど引き返そうかと思ったが、ちょこっとだけ覗いて混み過ぎていたら出て来るまでだと腹をくくる。
案の定レストランは満席でガヤガヤしている。
休憩スペースにも人があふれていて、脱衣所に行ってみるとこれまた人が多い。
ただよくよく観察すると、服を脱ぐ人ではなく、着る人が多く、食事時になったので上がる人が続いているようである。
お陰で、ボクが目指した露天風呂に快適な居場所を確保するのに苦労は無かった♪
この露天風呂の魅力は目の前に広がる東京湾を行き交う外国航路の大型船を、それこそ指呼の間に見ることができ、稲村ケ崎の温泉からの景色とはまた別の魅力にあふれた所なのである。
かくして寒風がさざ波を立てるほど吹きまくる湯船に首から下を浸すこと30分余り。
コンテナを満載した巨大船やオイルタンカーがすれ違うのを間近に見つつ、「日本経済を頼むぞ」と頼もしく思うのでアリマシタ。
この写真は駐車場からだが、露天風呂はここの2階にあって眺めはさらに良く、行き交う船舶は正に指呼の間の迫力がある
海沿いを走ってやって来たのは劒崎灯台付近のキャベツ畑 畑越しに東京湾と房総半島をのぞむ
キャベツに混じってダイコンも植えられている
東京湾から浦賀水道を抜けて外洋に出ようとしているタンカーは温泉施設を出る時に見かけたタンカーだろうと思う
春キャベツ♪
まだ十分に球になっていないように見える
こちらはキャベツの苗 雨が降らないから干からびているように見えるが、金曜日の予報は雨か雪…
行き交う船舶を間近に見るのもいいが、丘の上に上ってはるかな航跡を見届けるのも好きである
右手の大きな船にはコンテナが満載されている
日本で作られた製品が外国に運ばれ、彼の地で人々のお役に立つのである
左側のタンカーはこれから原油を日本に運ぶために産油国までの長旅に出るところ
水平線の彼方には太平洋が広がる♪