平方録

涼しい夏期講座

円覚寺の夏季講座初日。
自転車で行こうと思っていたが、晴れ渡っているものの北風がビュンビュン吹いていてアゲインストは必定。それも半端ではないような気がして難儀しそうなので、車で送ってもらった。
弱虫なのだ。

80年間、真夏の暑い時期に開かれていたのに、急に前倒しになった理由を「暑いから」としか説明しなかったが、アベなんちゃらと一緒で著しく説明不足である。
大方丈に600人分の椅子がびっしりと並べられ、しかも定員制にしたとか。
確かに楽チンになったことは否定しないが、大方丈の中は涼しくて半袖では寒いほど。夏期講座というネーミングなのだから、やはり汗をふきふきのほうが気分が出るというものである。
80年の重みを何と心得ているんだろう。

初日は横田南嶺管長の「無門関」という禅の書物の提唱から始まった。
これは以前からの続き。第25則からの再開だが、48則まであるというのに4則づつしか進まないのだから、相当先まで続くことになる。
2時間目の講師は羽佐間正夫さん。元NHKのスポーツ中継のアナウンサーで、鼻にかかるような声の持ち主。耳に馴染みの人だった。
85歳だという。そうだろうなぁ。オリンピック中継のたんびに声を聞かされてたんだから。
1時間10分の講義時間中、背筋をぴんと伸ばし、立ちっぱなしでしゃべっていた。そこはたいしたもんである。感心した。
夏冬合わせて11回ものオリンピック中継を担当したんだそうだが、肝心の中身には特筆すべきことなし。

3時間目はあいだみつおの長男であいだみつお美術館館長が登壇。
悪いけど、有名になった親爺で食ってるって感じで、こちらも身を乗り出して聞き入るような話ではなかった。
身近な人物が直接、肉親を論ずるってのは、案外難しいことなんじゃないかと思うのだが、その通りだった。

というわけで、空席が目に付く大方丈を吹き抜ける風と同様、ちょっと涼しめの空気が漂う初日でしたな。
さて、今日はどうだろう。




大方丈の玄関屋根
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