風を切って走るのだから当たり前だが、寒かった!
いくら一生懸命に漕いでも、身体に当たる冷たい風が身体を冷やしてしまうからちっとも暖かくならないばかりか、そんなことを続けていたら呼吸の方が続かなくなってしまう。
追い風状態になった時に、かすかに背中に当たる太陽を感じたくらいだが、その程度ではとても身体全体が暖まるまでには到底及ばない。
それくらい今冬でも何本の指に入るんじゃないかと思えるほど、空気は冷え切っていた。
それが想像できたのに自転車を漕いできたのは、ボチボチ真冬の寒さともお別れだろうし、冬将軍の北帰行に餞別の意でも表そうと思ったから。
「道中御無事で」「また来年ね。来年は何も慌ててやってくることもないからね。ゆっくり来ればいいよ」なんて言葉をかけてさ。
それともう一つ。
小型台風並みの強風が丸2日に渡って吹き付けた後の湘南海岸自転車道がどうなっているのかってこと。
道路をふさぐ砂の山はどの程度かと、それをちょっと知りたくて出かけることにした。
こんな寒い日にはまだ初音は聞けそうにないし…
自転車道のスタート地点は防砂柵がつい最近、新しく作り替えられたばかりだったお陰もあって、路面にはほとんど堆砂はなかった これはお見事
しかし、少し奥に進むとごらんの通り、新調されたばかりの1・5mの高さがある防砂柵を軽々と乗り越えた砂が路面を覆いつくしていた
ここは以前、ひどい吹き溜まりが出来る最悪の場所だったが、防砂柵の工事に伴って柵の浜辺側に積もった砂も随分平らにならすなどしたせいか、この程度で収まっているように思えた
このままにしておいて、次に風の強い低気圧がやってきたら、わずかに見えている路面も完全に隠れてしまうだろう
奥に見える屋根は国道134号を横切る地下道につながるスロープの入り口だが、砂は屋根まで届いてしまっている
絶望的な砂の量だ
地下道へのスロープはご覧の有り様 風の力は「すごい」の一言
スロープを抜けて自転車道を眺めてみれば防砂柵はわずかに頭だけ出して埋まってしまっている…
自転車道沿いの防砂柵は8kmに渡って何年かぶりに新しく作り替えられたお陰で、砂を防ぐ効果が高く。比較的スムーズに走れる状態が保たれていたが、さすがに2日間も吹き荒れた海側(南、南西)から吹き付ける強風にはかなわなかった
感心なことに管轄の役所は間髪入れずに除砂作業を始めてくれていたが、如何せん砂の量はコース全体で大量に上ると見られ、時間はかかりそうである
かつては1~2か月もの間放置されることはザラだったから、その意味では責任者が変わったためだろうが、直ぐに除砂作業が始まるというのは画期的なことだと思う いいぞ、頼むぞ、その調子!
寒さゆえか視界が良く、箱根の山々のふもとの街並み(小田原あたり)が良く見えた
箱根連山の左、つまり南に目をやれば多分、伊豆半島の伊東の高層ホテル群と思しき建物が見えた
左端にはコンテナ船と思しき、それも大型の船影が映っている
航路ではないので、何らかの都合で仮泊しているのだろう
片や砂が道路を覆い、こなたでは波が大地を侵食する
国道134号では稲村ケ崎と七里ヶ浜の2か所で路盤崩落箇所の復旧工事が進められている
相模の海は波高し