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平方録

ペテルギウスの光はとっくに戻っていた

今冬は夜空を見上げることがめっきり減った。

理由は「いつもの年より寒い」から。

我ながら随分と軟弱な理由だなと思うが、その原因は酒量の変化にあるんじゃないかと思うようになっている。

どういうことか…
つまり、コロナ禍で友人と飲み歩くことも無くなり、家飲みばかりになった。
結果、休肝日も取っ払い、365日の晩酌を続けるようになって、逆に酒量が減ってしまったのだ。
だから酔い覚ましに夜風に当たろうとベランダに出て冬の星座を見上げるなんてことは皆無になってしまったってこと。
そもそもネオンさんざめく夜の街に繰り出すことも無く、焼き鳥の匂いが漂う外気に身をさらすことも無くなってしまったのだから、ムベなるかなである。
ヒトは環境によって左右される生き物なのである。
 
このことで良かったことが一つある。
山の神のゴミ出しに関するボヤキが消えたこと。
以前は週に1度の瓶の回収日になると、わが家は最低7本のワインの空き瓶とその他ビールの空き缶や日本酒の酒瓶をどっさり出していたのだが、これがよそ様の家の数軒分になるというので、山の神が「よその家はせいぜい1~2本よ。それに比べてわが家は居酒屋じゃあるまいし…恥ずかしいわ」とぼやき続けていたのだった。
そのボヤキも今は昔。ロングロングアゴーのことになったのでございます。
ややっ……迷走した挙句、脱線してしまった。
 
 
要するに、昨日ベランダに出て久しぶりに夜空を見上げてみたのだ。
時刻は午後9時を回った辺り。
この時期の星座と言えば南の空に浮かぶオリオン座がすぐ目に入る。
この時間でもうすでに南西の空に移ってしまっていて、真南に位置している時にはまっすぐ立っている星座中央の三ツ星が、かなり横倒しになっているのが目を引く。
そうか…もう春だもんな…「冬の星座」として君臨してきたオリオン座も主役の座を交代する気でいるんだな…と言うことが伝わって来る。
そして思い出した…確か3年前には「冬の大三角形」の一角、オリオン座の1等星ペテルギウスが暗くなり始めていたんだったよな…
あの時はコロナが始まったばかりということもあり、大宇宙にも出現した「異変」に何となく不安が募ったものだ。
…そんな疑問を抱きつつ見上げるオリオン座にも冬の大三角形にも特段の変化は感じられない。
ペテルギウスもちゃんと明るく光っていた…?????
 
ネットで調べてみたら、ちゃんと出ていた。
ペテルギウスが自ら吹き出したガスによって塵の雲が出来、大幅に明るさが低下したのが大減光の原因だったが、既に解消して元の明るさに戻っているそうだ。
それも20年4月までに元に戻っていたというのだから、如何にコロナに振り回されて他のことに注意が向かなかったかと言いうことの証拠でもある。
それはそうと、もっと身近なところでも、例えば我々の生活に密着したところで、見過ごしてはいけない事柄が見過ごされ、今すぐか、もしくは近い将来、我々の生活に影を落とすようなことが無ければいいけれど…
 
 
一昨日、近所で初音を聞いたけれど、この「秘密の桃源郷」では聞けなかった
 



ウメにウグイスは花札の世界だけ?








午前中は冷たい風が吹き、午後になってようやく晴れ間がのぞいた
 
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