前夜寝る時にやはり南の空に浮かんでいた十三夜の月は沈んでしまったようだ。
これまでも寒いと感じる朝はあったが、今朝の夜明け前の空気ははっきり別物だと分かる。
パソコンを置いてある部屋の温度は18度で、この秋初めて20度を下回ったのもこのためだろう。
ベランダに出た時に外に一緒に出しておいたデジタル式温度計の数字は「10.8」と表示されている。
季節の歯車が確実にひとつ動いたようだ。
2、3日前に押し入れからわが家で唯一のガスストーブが引っ張り出された。
出されたままになっていたので、とりあえずガス管をつなぎ、試しに点火してみるとすぐに暖かい風が吹き出してきて動きは正常である。
今、このガスストーブを点火しようかどうしようか逡巡している。
まだ10月じゃん、という声が聞こえる一方で体感で判断しろよ、何もためらうことなんかないぞ、という声も聞こえる。
朝のうちだけ厚手のズボンを履き、上半身にはダウンの入ったチョッキを着て、さらにフリースまで羽織っているのだが、パソコンの前にじっと座っていると足元から寒さが伝わってくる。
たまたま「マッサンのシングルモルトウイスキー」のビンが机上に在り、中身が入っているのが目に入る。
9月の半ばころに買ったはずなのだが、もう5分の1くらいしか残っていない。
これでグラスが無ければただの飾り物だが、おあつらえ向きにショットグラスも瓶の近くにあって、ひと舐めどう? と微笑む。……少なくともボクにはそう思える!
そうですか……、じゃぁ、せっかくですから、と瓶のふたを開け、トクトクトクとあの絶妙な音を響かせながら琥珀色の液体が小さなショットグラスに注ぎこまれた。
気付け薬にはもってこいなのだ。
鼻腔をくすぐるほんのり甘い香り。口中にやや強めの刺激を広げつつ、滑らかにのどを通り過ぎていく。さすがはマッサン!
小さなショットグラスのたった1杯の液体だが、体内に入ったその瞬間から五臓六腑にしみわたり、少しだけれど身体の血の巡りが良くなったと見えて、心なしか暖かくなって来る。
この分なら、なんとかストーブに点火しなくても大丈夫そうだなぁ。
でも、もう1杯とは言わないが、半杯くらい注ぎ込まれれば足の先まで暖まるかも……という声が聞こえ、若干の逡巡はあったものの素直に従うことにする。
ところが……、不思議なもので一瞬であっても逡巡したせいなのか、2杯目は半杯なのだがぜんぜん美味しくない。
これにはがっかりしたが、もともと朝飲むものではないからそれはそれでもいいのだが、ちょっとばかり不可解、ちょっとばかり不本意——である。
ショットグラスの底にはわずかばかりだが、液体が残されたままだ。
しょうがない、こいつを飲み干してパソコンを切るとしようか。
坐禅の後、国宝の洪鐘のある山の上まで登って富士山を眺める。白く雪化粧した富士山を見るのは今シーズン初めて=円覚寺
境内の西のはずれにいけば富士山はもっと良く見えると思うのだが、久しぶりに洪鐘も見て見たくなった
ちょっと変わったホトトギスが咲いていた=円覚寺黄梅院
チョウジソウ=同
チョウジソウとシュウメイギク=同
茶の花も=同
観音堂と赤いシュウメイギク=同
今日もまた今秋一番の秋晴れが期待できそうだ=05:28 わが家から見た東の空
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heihoroku
ひろ
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