湘南モノレールの本社兼車庫では5月20日にデビューする新型のモノレールの組み立て整備の真っ最中だった。
何から何まで新品でピッカピカ。しかも、帯の色は7色目のピンク!
遠くからこのピンクの車体が見えた時に姫は「じいじ、ピンクだよ! 新しいのはピンクなんだ! 」といきなり興奮モードである。
鎌倉商工会議所が企画したモノレールと江ノ電の車庫を見学するツアーに参加してきた。
定員は25人。春休みだけれど平日に集まってくるのはどんな顔ぶれなのかと興味シンシンだったが、子どもは姫を含めて7人のみ。
残りは老夫婦や比較的歳を取った鉄道好きの男性ばかり。1人だけ、最近はやりの若い鉄女も参加していた。
両方とも全国区ではない地元のミニ鉄道だけに、日頃足に使っている沿線住民たちの参加が多かったような雰囲気である。
サフェージュ式と呼ばれるこのモノレールは、外から見る限りレールにぶら下がって走る姿を見るだけで、車輪はまったく見えないが、この日は丸裸のまま整備される光景を間近に見た。
普通の鉄道と違って車輪は鉄で出来ているのではなく、ゴム製のタイヤである。騒音対策になるし、急こう配にも対応しているそうだ。
そう言えば、湘南モノレールにはジェットコースターのような区間が確かにある。
普通の電車は車輪部分が車体の下にあり、パンタグラフが屋根の上にあるのだが、モノレールの車輪は屋根に付いていて、その台車の一部にパンタグラフが設置されている。なるほどなるほど、という感じである。
見学会は時々行われているそうだが、使用中の車両の点検整備を見るのが普通で、デビュー前の新車の組み立て作業を見るという幸運は「滅多にないこと」と案内してくれた広報の人が言っていた。
そりゃあそうだろう。
ここのところ相次いで新車両が投入されてきて、当面の計画はこれで終了。次回の新車投入は14年後だそうだから、まさに貴重な一瞬だったわけだ。
このピンクの登場によって赤、青、緑、黄、パープル、黒と7色がそろうことになる。
ピンクの直前に登場したのがブラックラインで、意表を突いたカラーリングだが、姫は「カッコイー! 」。
点検整備中のイエローラインの運転台にも座らせてもらい、コントロールハンドルまで動かさせてもらった。
ドアの開け閉めもやり、マイクを使った案内放送では「つぎはウツノミヤー」とやって周囲を驚かせて得意満面である。
江ノ電の極楽寺にある車庫では1931年製造のタンコロ「108」号車を見学。板張りの床などが懐かしい車体で、いつでも動けるように建物の中で大切にしまわれ、動態保存されているそうである。
しかし、ああいうメモリアルは走ってナンボですな。モーターの音とか、車輪とレールの出し合う音とか、揺れ方とか、警笛の音とか、現在の車両とはまったく異なる往時のものが聞けてこそなのだが、動かせるといっても車庫内だけだそうだから、それもたかが知れている。
しかし、宇都宮の子どもたちはモノレールなんて見たこともない子が多いだろうから、姫が自慢話をしても多分通じないだろうね。
もっともそんな事を考えるのは了見の狭い人間で、姫には関係ない。姫の楽しい記憶に残りさえすればいいのだ。
組み立て整備中のピンクラインのモノレール新型
手前の車輪と車輪の間にあるバネの付いた小さな2本の板がパンタグラフの集電部分。赤い線が電力を供給する架線
モノレールのドア開閉をする姫
江ノ電のタンコロ「108」号とその内部
江ノ電極楽寺車庫内の整備工場
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