ニューヨークタイムス紙からは「感染症が流行しかけた時に取ってはいけない教科書的な例」とまで酷評されたクルーズ船での乗客隔離・封じ込め作戦は日を追うごとに倍々ゲームのように新たな感染患者が見つかっている。
そして、もはや武漢や湖北省に関係する外国人の入国を拒否しているにもかかわらず、それをあざ笑うかのように武漢・湖北とは別の感染ルートとしか思えない、というか、感染ルートすらはっきりしない形で日本各地で新たな感染患者が出始めた。
つまり、水際作戦に使ったザルからは今、ザアザアと音を立てて水がこぼれだし、作戦は大失敗に終わり、日本国中への感染拡大は時間の問題になりつつあるということなのだ。
で、こうした事態に官邸が頭を抱えているかと言えば、そうでもない。
さすがに表に立つソーリダイジンのアベなんちゃらは深刻そうな表情でテレビ画面に登場してくるが、その顔は一時の作りものであって、ひとたび官邸の執務室に戻れば、ようやく兆しが出始めた感染拡大に至極ご満悦のエビス顔なのであるらしい。
その理由の第1は感染拡大の恐怖を国民にあおり、憲法改正への近道に利用してやろうという魂胆があるからだ。
どういうことか。
この得体の知れない感染症の水際作戦に失敗したのは緊急時の政府の権限に限りがあり、有効な手立てを取れなかったのが最大の理由である。だから、新たに憲法に緊急事態条項を設け、政府が国会の承認も必要なく私権の制限も含めてあらゆる必要な緊急措置が取れるようにしなくては、こうした恐ろしい事態を食い止めることはできない。ゆえに、今すぐに憲法を改正すべきだ。少なくともこの緊急事態条項だけはすぐに作らなければいけない――という理屈である。
自分達の能力不足を棚に上げて、まさに火事場泥棒。どさくさに紛れて木に竹を接ぐ。牽強付会…ひどいもんだ。
そんなのに騙されちゃだめだよ。緊急事態に対処するためには既存の法律を駆使すれば十分に対処可能だからね。
無知な国民に「怖いでしょう ? 」「怖いよね」「だから緊急事態条項って必要なんだよねぇ」と猫なで声で説明しつつ、その見えないところで舌をぺろりと出して国民を騙す快感にほくそ笑むって言うことなのさ。
緊急事態に絞ろう、と言うことは日本維新の会の誰かが口にしたし、自民党の衆院議長経験者までもが得意顔で口にしていたが、その後、これに類する発言はぴたりと止んでしまった。
官邸筋から寝た子を起こすな、余計なことはしゃべるな、必要な時にはこちらからアクションを起こすからそれまではじっと口にチャックをしたままにしておけ、と釘を刺されたためである。
感染症よりも恐ろしいいたくらみが密かに進行しつつあるってことなのだ。
もう一つも恐ろしいたくらみだよ。ゾッとしちゃうよ。
今度の感染症は、特に高齢者が重篤化しやすく、命も落としやすい。
そこが付け目なんだな。
これからますます増える高齢者によって、医療費や公的年金を含めた高齢者福祉に関する予算措置は膨れ上がるばかり。
「そういう厄介者の高齢者が万人、いやウン十万単位で消えてくれたら…」
体力のある若い働き手が感染しても症状が出ないか、出たとしても軽くて済むから問題ないって訳さ。
まさかとは思うが、現代版姨捨山に使えるものなら使ってやろうって魂胆なんだよ。
官邸では今、ひそひそ話でこんなことが話し合われているのさ。
ひどいもんでしょ。高齢者が今の社会を築くのにどれだけ尽力してきたことか。
いいかい、ジジババども、目をカッと見開いてトンデモナイ魂胆・企みに打ち勝つのだぞ。
ロージンたちの底力、知恵を見せる時さ。ボクも負けないよ。
日当たりが良く、北風も遮る2階のベランダで育てている鉢植えのバラ「空蝉」の葉がこんなに育ってきている まだ2月だというのに…
(見出し写真も同じ「空蝉」)
同じく2階ベランダのバラ「ノリコ」の葉も展張し始めた