写真は近所の池と森の公園内で一年中休むことなく流れ続けている湧水の光景である。
南東を向いた崖の下あたりから流れ出ているので、昼過ぎまで太陽が当たってキラキラと輝くところがイイ。
5月ころになると、この湧水周辺はもちろんのこと、ここを源とする小さな流れに沿ったあちらこちらで透き通った薄茶色の羽をもつアサヒナカワトンボが縄張りを主張し合ってパトロール飛行を繰り返す光景が見られる。
目撃したことは一度もないが、湧水が溜まる滝つぼのような水たまりは野鳥たちの水浴び場になっているのかもしれない。
冬枯れのこの時期、シーンと寝静まっているかのような森の中で、陽光に照らされ滴り落ちる流れを見ていると、はるか中学生のころに覚えた万葉集の歌が浮かんでくる。
岩ばしる垂水の上のさ蕨の
萌え出づる春になりにけるかも
志貴皇子(しきのみこ)の作だが、歌人の大岡信の解説によれば「滝(といっても小さなものだろう)の傍らに生えているワラビが芽を出す春になった、というよろこびをのべている。立春から多少日を経たころの景色だろう。さわやかに心のはずむ春の到来が快い調べになっている」と、万葉集特有の直接的で力強い表現に拍手を送っている。
"さわやかに心のはずむ春の到来"……まったく同感♪
中学時代の素直な心に響き、すとんと胸にしみた歌は半世紀以上を過ぎてなお、ボクの記憶の襞から零れ落ちないでいるのである。
今日は午前10時ころから雨が降り出す予報になっていて、それが午後になると雪に代わり、日付が変わるころまで降り続くらしい。
南岸低気圧が発達しながら東進中だという。
南関東でも5~10cmの積雪が予想されている。
さて、東京よりはるか南の海辺の町ではどうだろう。どれくらい積もるだろう。
とりあえず、午後は雪見酒だな♪
小さな滝となって流れ落ちる湧き水=近所の池と森の公園内