スマホにかかってきた娘さんからの電話を取ると、画面いっぱいに初孫ちゃんが大泣きしている姿が映し出されている。
3歳の女の子で、友人夫婦にとっては文字通り目の中に入れて、しかも大暴れされても、ちっとも痛くない存在である。
驚いて何事かとワケを聞いてみると「パパにはおじいちゃんとおばあちゃんがいて、私にもジジとババがいる。ママのおじいちゃんとおばあちゃんはどこにいるの? 」と母親に聞いたのがきっかけらしい。
「あなたが大好きなジジとババがママのパパとママで、おじいちゃんとおばあちゃんなのよ」と説明された初孫ちゃんがびっくりして「ジジとババは私のジジとババ! 」と言い張ったのだ。
しかしママに否定され、今度は「じゃぁ私のジジとババはどこにいるの? 」ということになったらしい。
初孫ちゃんにとってジジとババというものはパパとママの両方に2人ずつ存在し、なおかつ私という自分にもジジとババがいるのだと信じて疑わなかった。
毎週のように遊びに行き、美味しいご馳走を作ってくれて、その上、洋服まで作ってくれる優しいババ。野菜畑に連れて行ってくれて甘いイチゴを取らせてくれたり、新鮮な野菜をどっさり取ってくれる優しいジジ。
この2人は特別な存在で、自分専属の自分のためのジジとババだと思っていたのだ。
それがふとした弾みで、「あれ、まだママのおじいちゃんとおばあちゃんに会ったことがないな、どこにいるんだろう」という疑問がわいたに違いない。
それでママに聞いてみたところ…
頭が大混乱を来したのだろう。
「自分の…」と信じ込んできた存在が「ママの…?! 」だという。
「………! 」
「そんなのやだっ! 」
「私のよ! 」
ボクにはとても思いもつかない斬新な発想である。こういう発想に、ボクは心底脱帽する。
子どもの想像力の豊かさというものを見せつけられる思いだ。
これからどうやって心の中で折り合いをつけていくのだろう。
柔軟でしなやかな幼い子の心はどんなことも受け入れるに決まっているが、その経過というものをじっくり眺めていたい気もする。
彼女は長じてもきっと一族の何かの集まりがある度に「あの時は…」と話のタネにされるに違いない。
それにしても、この話で童話が1本書けそうだなぁ。
北鎌倉・浄智寺の書院とシュウメイギク。季節の花が美しい書院前の庭園だが、今年の秋の天候不順で草花も今一つ
深い谷戸の奥に立地しているためか、塩害は大したことはなかったみたい。ここのモミジは色づきそうだ
境内に咲いているホトトギスもそろそろお終い
去年はたわわに実り禅寺の風情に趣を添えていたカキが今年は不作のよう
鎌倉七福神の布袋様。住職にそっくり!
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heihoroku
高麗の犬
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