ロシアの侵攻を受けて丸1年が経ったウクライナで24日、「謎の路上芸術家」として知られるバンクシーが描いた壁画を使った1枚の切手が発行された。
黒帯を締めた大人が小さな少年に投げ飛ばされている図柄で、ウクライナ語は分からないが、切手には「プーチン出ていけ!」と書かれているという。
壁画が描かれたのは首都キーウ近郊のボロディアンカという町の破壊された壁の一部で、昨年11月にバンクシー自身がインスタグラムに投稿した画像の中で取り上げていたそうだから、本人が描いたものに間違いないようである。
柔道家であることを自慢しているプーチンにそっくりな人物が見事に裏返しになって豪快に投げ飛ばされていることから、現地では話題になっていたという。
投げ飛ばしている子供はもちろんウクライナの子どもである。
発売初日の24日はキーウ中心部の郵便局に大勢の市民が集まり、発売されたばかりの切手を買っていったそうで、発行元の郵政公社社長は「この切手とこの絵は、すべてのウクライナ人が敵に対して感じていることを的確に表している」と語っているそうな。
切手は1シートに6枚で、180フリブナ(葯670円)。売り上げの一部は侵攻の影響を受けた教育施設のために使われるという。
バンクシーの絵柄そのものが抵抗を続けるウクライナの人々に勇気と喝采を与える物だろうし、それを「そうだ、切手にしちゃおう!」と思いつき、実行してしまうこと自体が、ウクライナが全然めげていない証拠で、したたかな一面をのぞかせていると言えると思う。
こういう精神のしなやかさと言うのは強さの表れの一つと言ってよく、まだまだ士気は衰えていないことにホッとする。
かくなる上は一日も早い勝利の時が来るのを祈るばかりだ。
写真はネットから、あれこれ無断でお借りしました