速かった!
姫が女子リレー白組の第5走者としてグランドを全速力で駆け抜けて第6走者にバトンを渡した時、2番手の子はまだ第4コーナーを抜けたばかりの位置だった。
姫の白組はそのままゴールに飛び込み、圧倒的な強さを見せた。
普通リレーの選手配置を考える時、あまり差がつかないように配慮しないと白熱しないものだ。
今回のように1年生から学年が上がるごとに差が開いて行くとリレーの醍醐味である追いつ追われつのデッドヒートは望むべくもない。
白熱の競り合いがないと応援の児童だって張り合いがないだろうし、観ている親兄弟たちだって盛り上がらない。
ただあれよあれよと口をぽかんと開けて「早ぁ〜ぃなぁ〜」と驚くばかりである。
でも、姫のそういう空を翔ぶがごとき韋駄天走りの勇姿をこの目で確かめたジジイは口元をだらしなく緩め、1人よしよしとニンマリしながら「うむ、一段と速くなったな」と成長ぶりに満足するのだ。
これぞ「ソフ」という立場の特権!
リレーの前に行われた5年生の徒競走でももちろん1着 両足が地面から離れて宙を翔んでいる!
両足だ地面から離れている! これぞ空を疾る何よりの証拠
心配された光化学スモッグの発生もなく、当初計画と比べると若干短縮され組み替えられたプログラムだったが、それでも予定通り最後までつつがなく終了し、何とボクはテントの後片付けまで手伝ってきたのだ。
そんなジジイはどこにもいなかったゾ。
思いがけず、四国に貸しを作ってきた。これはいずれ返してもらおう。