旧東海道の藤沢宿(藤沢橋)まで出てそのまましばらく旧街道を西に進むと引地川に出る。車の通らない川沿いの道を遡り左手遠くに湘南ライフタウンの高層住宅群が現れたら、それを目指して川を離れ丘を登っていく。
広大な敷地に住宅が広がり、道は上り下りを繰り返すが、めげずにペダルを漕ぎ続け住宅地を抜けると長い下り坂が現れる。
この坂を下ったあたりから周囲の景色は一変し、藤沢市と茅ヶ崎市北部一帯の田園地帯が開ける。
フォロワーさんからのコメントに「秋たけなわの頃のあの地域の景色をもう一度見てみたい」というリクエストがあったので、少し早いかとは思ったが偵察の意味合いも込めて行ってみたのだ。
黄金色に染まりつつある田んぼの中を流れる小出川の土手を紅に染めるヒガンバナも咲き出した頃だろうと思ったのだ…
宿場町の時代が去った後には問屋を中心とした街が出現し、写真のような建物がつい最近まで所々に残っていたが令和の今、かつての佇まいをとどめているのはこの紙問屋のみになってしまった
田園地帯に入るとすぐに丹沢山塊が姿を現し出迎えてくれる
小出川に到着したが…
彼岸花と染め抜かれた旗と鳥避けのトンビを模した凧の写真を撮っていたら、左手に写っている自転車のおじいさん(ボクよりずっと)に声をかけられた。曰く「全く咲いてないんですねぇ」と。ボクが鎌倉から自転車を漕いでわざわざ群落を見にきたのにガッカリだというと、「そんな遠くから」と驚いていたが、それにしても1輪も咲いていないことを嘆きつつ帰って行った
橋のたもとの説明板を見たら開花期は「9月下旬頃」となっている。いささか早すぎたようだ
ハイキングの格好をした十数人のグループが田んぼの中の道を行くが、彼らも少し早すぎた口に違いない
藁苞に隠れるように立つアオサギが首を伸ばしながら周囲を見回している
見出し写真にあるように黄金に色づいた稲はコウベを垂れ、順調な生育ぶりをうかがわせるが、先日の台風15号がもたらした北寄りの強風の通り道に当たってしまったのか、稲がすっかりなぎ倒された田んぼも目立った
夏と秋が重なり合った空
稲田を渡る風を受けながら満腹してイビキをかくブタ君に、北関東ではブタコレラが流行し始めているから手洗いやうがいをきちんとするんだぞと注意してやったが返事はなかった
こちらは悠然としたウシ君 君らは黒毛和牛ってやつかい?
田んぼを囲む丘にはカキとクリの果樹園が点在していてカキが色づき始めていた
クリだってこの通り
県立里山公園へ続く道沿いが花畑になっていて、もう少し秋が深まるとコスモスなどの秋の花が咲き乱れるところが見られそうだ
花畑(道路の左沿い)が続くこの道の奥が里山をそっくり保存した里山公園
ツルボが咲き
ワルナスビがのさばる
ルコウソウのような…、でも違う
これは ?
かくして、まだ夏の気配が残る今ごろの季節での訪問は少し早すぎたようで、10月の声でも聞くようになったら改めて再訪しようと思う。