狙いすましたってここまで的中させるのは難しいくらいの雨降りとなった昨日。
わが俳句結社・二合会は例会を開き、かねて予定していた北鎌倉の浄智寺での雨中の吟行を決行したのでありました。
時折篠突くような降り方にも遭遇しはしたが、それは一時、大概は小雨になってくれて、元々情緒豊かな浄智寺は煙霧に煙るが如く、一層趣深くなったのでございます。
すると俳句の神さまも"いたずら心"を刺激されるのでございましょうか、茅葺屋根の書院の前のしっとりとした庭にウグイスの鳴き声を響かせたのでございます。
東京からの参加者は「わぁ~、初めて聞いた♪」と大喜び。もうすでに耳にしていた連中も「我らの吟行のため、しかもこの雨の中で鳴いてくれるとは…」と感激もひとしおでございました。
♫四谷、赤坂、麹町、チャラチャラ流れるお茶の水、粋な姐ちゃん立ちションベン…白く咲いたが百合の花、四角四面は豆腐屋の娘、色は白いが水くさい…
と、まぁ、これはご存じ寅さんの啖呵売のセリフの一部ですが、こんな浄智寺とは縁もゆかりもないセリフがついつい口を突いて出るほどに、ウグイスの歌声は一同を大いに喜ばせ、お陰で凡夫一同、大いに作句心をくすぐられ、名句百出となったのでございます。
(と、「名句」のところだけは自分達では思い込んでいるだけかもしれませんが…)
ということで、合評の後は大船駅前で一番流行っている立ち飲み屋に入り、反省会を挙行したのでありました。
もちろん千ベロ♪(1000円じゃベロベロなんかにはならず、ほろ酔いだけど…)気分はそれ。
酒場を出ると雨は会話を途切れさせるくらい強くなり、バスで帰ったボクはバス停から家までの7~8分の間にずぶ濡れになりました…とさ。
「春雨じゃ、濡れて参ろう♪」の羨ましい世界もあると聞くのだが…
是より浄智寺境内
唐風造りの鐘楼門
この場所でウグイスの鳴き声が響いた
曲がり屋風になった茅葺屋根の書院と庭
書院の屋根とミツマタ
書院の前のイワタバコなどが咲く崖
崖の一部でタチツボスミレが雨に打たれていた
布袋尊あっち向いてホイと春の雨 (花葯)
布袋尊への道を戻るとこちらにも茅葺屋根が
ゆがみガラスを使った書院のガラス戸とユキヤナギ
臥龍の趣
雨の茅葺屋根
鐘楼門
わが提出句(兼題は「春光」)
蕗味噌やわが身のほろき苦さかな
富士の山微動もせずに春日嗅ぐ
ウグイスの初音も凍る寒さかな
布袋尊あっち向いてホイと春の雨
オオイヌノフグリが醸す春の色