羽田空港からの直行バスが着く最寄り駅まで姫たちを迎えに行く。
時刻は午後3時を少し回ったころ。
9時ちょうどの列車で松山に向かったというのにずいぶん時間がかかる。
新幹線と在来線で瀬戸大橋を渡って行くのと大差ない。
松山空港で1時間半、羽田でバスを待つこと1時間、それぞれ待たされたからと母親は連絡の悪さをぼやいた。
待ちくたびれたぜ。
4月下旬の運動会以来だから3か月ぶりの再会だ。
黒い半袖Tシャツに白い短パンで現れた姫の足がやけに長くスラリとして見える。
わずか3か月で背が伸びたようだ。
姫に確かめたら「えっ、分かんなぁ~い」。
確かに自分ではわからないものだ。
たまに傍から見るじいじやばあばの方が、こういう変化には敏感で、あれよあれよという間の成長ぶりが眩しいったらない。
姫と妹君に加えて隣町から若がやって来て孫全員集合となった。
姫10歳、若4歳、妹君3歳のいとこ同士。この3人は仲がいい。
姫が若に「一緒にお風呂に入ろう」と誘うと若は少し照れ気味に後ずさりし、言い訳にボクをダシに使って「じいじと入るから」と同意を求めてきた。
こういう時は流れに逆らわない主義で、成り行きに任せると本当に一緒に入ることになってしまった。
頭のてっぺんからつま先経由のおちんちんの先っぽまできれいに洗ってやった。
特別サービスだ。
姫とは小学校の2年生までは2人で入っていた。
洗い終わると湯船につかりながらおままごとやらお店屋さんごっこをさせられ、のぼせる寸前の小1時間は風呂場に閉じこもったものだ。
それが3年生の途中から途絶えている。
まぁ姫の母親とも一緒に入っていたのは4年生までで、5年生では卒業していたからな…
家に到着した姫はご飯を食べる時と風呂に入っている時以外はわが家のipadでユーチューブを見っ放し。
家では宿題に追われ、親の監視の目もあって自由にならない分、わが家で羽を伸ばすのだ。
たまのことなので母親もほとんど注意しないのをいいことに、若や妹がキャァキャァ楽しそうに大騒ぎしていても知らん顔で画面を見ている。
何を見ているのかと脇からのぞき見すると、子供向け商品のプロモート画像。
ボクの子どものころとは想像もつかない時間の使い方で、本でも読んでいてくれた方がどれだけいいかわからないが、これが時代というものだろう。
いつも一緒に暮らしているなら言い方も含めて考えようもあるのだろうが…
親に任せるしかないということなのだろう。
あと10年すると姫とは一緒にお酒が飲めるんだよな。
取り合いをしながらもケンカにはならず、仲良く遊ぶ若と妹君
きちんと並べたミニカーは手で勢いよく押し出して遊ぶのだが、勢い余ってボクの顔をめがけて滑空してくることも…
妹君は男の子のおもちゃがお気に入りの様子