昨日から竹製の敷物をベッドに敷いて寝始めた。
竹を細く裂いたものを簾のように編んだもので、まぁ、ゴザのようなものだ。
これが肌にヒンヤリしていてとても気持ちがいい。
布と違って天然の竹だから長いこと寝ていても熱を持つことがないから、朝までヒンヤリ感を保ってくれるのが特にイイ。
昨夜10時過ぎに寝る時、寝室の温度は28.5度で完全な熱帯夜だったが、この敷物を敷いていたうえにガラス戸のシャッターを細く開けておいたお陰で海からの風が通り、寝苦しさも感じずにすぐ眠れた。
未明に一旦目が覚めたのは毛布を蹴とばし、肌寒さで尿意を感じたからで、時計を見たら午前2時だった。
トイレから戻ってからは冷えないようにガラス戸を閉めて寝たが、つぎに目が覚めたのはまだほんの数分しか経っていないだろうにと思いつつ、ラジオが4時のニュースを流していたので、あぁ、起きる時間かと思ったくらい。
こんな具合だからひと夏にエアコンのお世話になるのはシャッターを透かせて寝ることができないくらいの暴風雨が吹き荒れる台風の襲来時くらいのもの。
そういう時は仕方なく除湿機能を使うが、それ以外は使わない。
妻は時々、別の部屋に逃げ込んでエアコンのお世話になっているが、個人差が際立ってきたようだ。
それでも風があるうちはいいが、風がそよとも吹かないときは扇風機を壁に当てて空気を動かして寝る。
これで結構寝苦しさを感じずに寝ることができる。
そもそもエアコンが嫌いなのだ。
40数年もの間、通勤の時間も含めて冷房をガンガン効かせた冷えすぎた空気の中で強制的に働かされてきたわけで、いつだって上着を着ていなければ寒くてしょうがない状況は苦痛以外の何物でもなかった。
それが東日本大震災で原発がすべて止まったおかげで電力不足が生じ、電車の冷房もオフィスの冷房も28度設定になったことで少し楽になったのだった。
クールビズという掛け声も登場し、それも掛け声倒れに陥らないままノーネクタイも定着しつつあるようだし、ご同慶の至りだ。
気温に合わせた服装というのは世界の常識なのだ。
話はそれるが、そんな気違いじみた日本の夏の真っ盛りにオリンピックを開くんだという。
IOCの連中は日本の夏を甘く見過ぎている。
実態を知らなさすぎる。
それでも五輪を開きたくてしょうがない日本政府とJOCは、きれいごとを並べて手もみして〝篭絡〟に成功してしまった。
来年の夏は様々な意味で見ものである。
お陰で東北の復興は進まないし、資材の値上がりや作業員の不足はみんな五輪工事のせいだ。
東京都民だって五輪開催期間中は自由を奪われることになる。
とばっちりは隣の府県にも及ぶだろう。わが家からすぐの江の島ではヨット競技の拠点になる。
時々出掛けている防波堤もやがて立ち入り禁止になってしまう。
わが家の水洗トイレの一つが壊れた。
2階のウオシュレットが使えなくなっただけが、修理は来月下旬にならないと人手が確保できないという。
日常のごく小さなところにも五輪工事の影響というのは忍び寄っている。
西の地方でここ数年相次いでいる地震や水害に見舞われた地域の復興がなかなか思うに任せない状況においておや、なのだ。
無理が通れば道理が引っ込む、の類があちこちで起きている。
鎌倉・一条恵観山荘の苔庭