君子危うきに近寄らず…土日の観光地なんてうっかりうろつくもんじゃないという‶格言〟を改めて思い知らされた翌日も朝から青くて高い空が広がって外歩きにはこれ以上ない天気になった。
人混みを避けるなら尾根歩きをするか森に分け入るのが一番。
近所の池のある公園から少し足を延ばしたところに県が本腰を入れて保存に力を入れた大きな森が残っている。
去年の秋の2度にわたる大型台風の影響であちこちで倒木被害が出て、その傷跡はまだ随所に残されてはいるが、所によっては夏草がそれらを覆い隠してもいる。
夏は海辺にばかり出かけていて近寄らなかったから、ウグイスの初音を求めてうろついた春先や、この森の主的存在であるヤマザクラの巨樹が満開になるさまを愛でたり、やはり巨木のキリの花を見に分け入った初夏以来の訪問である。
48haもある広大で素敵な森が住宅が密集するど真ん中に残されているというのに、森の中ですれ違う人はほとんどいなかった。
秋らしい気持ちの良い青空が広がっているというのに、みんなGo to トラベル ? まさか。
でも、ホントにどこに行ってしまったんだろう。
ツクバトリカブト 薄暗い林床にひっそりと咲いているのを見つけた
遠くからでも目立つ色という訳ではないが、いったん気が付いて目を向けると、そのまま吸い寄せられそうになるくらい魅力的な「青」色をしている
関東以北の山野に自生するトリカブトはみなこのツクバトリカブトという種類なんだそうな 最初に見つかったのが筑波山ろくだったからということらしい
この植物が猛毒をもっているなんて…
咲き終わった枝先にタネが出来つつあった タネが熟すのを待って庭に蒔けば…
山を下りると平らな場所に出る
大きな2本のメタセコイヤが門のように道の両脇に生えている 圧倒的な存在感で少し色づき始めている感じ
森の中と違って明るいし、直射日光が暑いくらい
田んぼで見張っていた案山子たちも役目を終えた
10日くらい前に希望者を集めた稲刈りイベントがあったらしい
わが家の近くの田んぼでは稲刈りの真っ最中で、刈り取りが終わると天日干しの稲架掛け(はさかけ 地域によって呼び方が違うそうだけど)が並ぶことだろう 稲を干している脇を通る時に感じる枯れた稲わらの香りがまたイイんだよな ♪
大規模な稲作ではないから昔ながらのやり方がまだ生き残っているということか 悪くないね
田の畔やちょっとした空き地には思いがけない花園が広がる
ノコンギク、ミゾソバ、アカマンマ…
さらに奥に進むと木道の辺りの湿地帯がツリフネソウの群落に覆われていた
我が家近くの池のある森にも群落は存在するがこれほど広くはない びっくりした 以前からこんなだったっけなぁ
森好き、爬虫類好き、昆虫好き、生き物好きの絵描きさんのブログに「秋もまだ中盤 虫媒花がたくさん咲いているというのに飛ぶ鳥がごくわずか カマキリもクモも本当に少ない 鳥も少ない 今年が特別というより森の生き物が年々減っているのを感じて空恐ろしくなります」と綴られていた
特段目を凝らしながら歩いたわけではないが、あの広々とした森と付随する平たんな場所で見かけたのは、稲刈りの終わった田んぼで出会った少し大きめのトンボ1匹だけだった
鳥の鳴き声も家の近所の森ではうるさいくらい聞こえていたが、こちらの森では耳に残っていない
確かに空恐ろしいことではあるね…
なんとかと煙は高い所に上がりたがる…
回り道して探した富士山は雲の上の頭だけだった