江戸後期の画家だが、横山大観と渡辺崋山を足して2で割ったような名前がそもそも怪しく、知ったのはごく最近のことで、代表作は「紅花屏風図」という山形県特産のベニバナの収穫から製品になるまでを描いた六曲一双の屏風絵。
紅はそもそも男のボクには縁のないものだが、産地の山形ではこのベニバナから作られる紅が京の都や商都大阪に届けられ、女性をより美しく見せるのに一役買うとともに、莫大な利益に加えて京に伝わる伝統的な公家文化とそれにまつわる品々を北前船が酒田まで運び、さらに小舟に積み替えられて最上川流域に運ばれたのだ。
その雅な文物は今も流域に残り、友人の案内でベニバナ御殿とも形容される豪商の家々というものも見学して往時の隆盛ぶりというものを偲んだことがあるだけに、その製造過程を描いた屏風を実際に見て見たいと思ったのだ。
お目当ての作品があるとはいえ、そのほかにはどんな作品を残しているかと見て進むうち最後の1枚になり、「出口」の表示が見えて初めて「あれっ? 」と我に帰った。
近くに座っていた職員に聞くと紅花屏風図は会期の前半で山形美術館に帰ってしまったそうで、「ここに座っているとよく聞かれるんですよ」と済まなそうな顔で言う。
まったく間の抜けたことで、お目当てのものが家に帰ってしまったのも知らずにノコノコ出かけて行ったのにはがっかりした。
その前段で秋葉原の照明ギャラリーにも用事があって立ち寄ってきたのだが、何と火曜日と水曜日が休館日だということを知らなかったのだ。
わざわざ交通費をかけて出かけてきているのに、1度ならず2度までもというのは何とも情けなく、こういうこともあるんだなぁと自らを納得させるしかない。
まったくもって若い時にはこんなことは起きなかったぞ、といささか自分自身を呪いたくなる気分である。
まっ、その代わりという訳でもないのだが「祇園祭礼図巻」という上下2巻、全長30メートル余りあるという絵巻物に圧倒されてきた。
祭りに参加する数千人? もの人々を生き生きと登場させ、祇園祭の一部始終を描きつくそうかという作品には、よくこれほどの根気が続くものかといささか呆れさせられる。
世に名を残す人はやはり尋常一様ではないのだ。
紅花屏風図は山形の友人宅からぶらぶら歩いて行けるところにある美術館に収まっている。友人を訪ねるついでに鑑賞してくればいい。
隣の博物館には「縄文の女神」が収められているし、夏休みに「姫」と一緒に上野の博物館で見てきたばかりだが、あの女神には何度でも会いたい!
昨日は「紅花」にフラれたけれど、かえって楽しみが増えたというべきだろう。
東京駅の赤レンガ駅舎と駅前の佇まいはなかなかイイ
丸ビルと新丸ビルの間から皇居方面を見る
八重洲口の大丸前を通りかかったらスマホを掲げて写真を撮る人々の群れに遭遇。何事?
ニュージーランドのrugbyナショナルチーム「オールブラックス」のメンバー数人がスイス製時計の宣伝をしていてファンが群がっていた
奴らデカすぎる! しかも真剣勝負中の顔はきっと恐ろしいぜ! 日本の代表チームの選手諸君に同情するネ
コメント一覧
heihoroku
ひろ
最新の画像もっと見る
最近の「随筆」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事