「紙オムツはビニールに入れて縛ってから容器に入れるようお願い致します」
ウオシュレットのボタンの脇にビニール袋の入った小さなプラスチック製の小箱が設置され、小箱の表面にワープロ印刷された上記のごとき文章が張られていたんである。
絶句してしまった。
オムツをつけなければならないようなヒトがゴルフをしに来ているのか……
ここまで張り紙やら容器を設置するやらして注意を促しているからには、紙オムツがたまたま1度トイレ内に残されていたという訳ではあるまい。
このゴルフ場では定期的にというか、日常的に紙オムツが放置されているに違いないのだ。
それで業を煮やしたゴルフ場がマナーの向上を求めたんだろう。
おそらくそんなところだ。
ならばいったい何人くらいの「紙オムツゴルファー」がいると言うんだろうか。
2人なのか3人なのか。はたまたもっと大勢いるというのだろうか。
高齢社会なのだからあり得ないことではないが、まさか日常の光景になって注意書きが張り紙されているというのがオドロキである。
男トイレ内だから使用者はお爺ちゃんである。多分。
若いヒトはいくら何でも使っていないだろう。
とすると、相当ヨボヨボした印象を受けるのだが、そんな状態でクラブを振り回せるのだろうか。
足を踏ん張って、腰を少し低く構え、背筋をピンと伸ばした姿勢でなければスイングは出来ない。
そもそも足を開いて踏ん張る姿勢が取れるんだろうか?
それともひそかに紙オムツ使用者用の構えとスイングというものが考案され、存在しているのだろうか。われわれが知らないだけなのか。
第一このゴルフ場には移動手段としての乗用カートがないのだ。
したがってプレーヤはゴルフ本来の姿である自分の足ですべてのコースをテクテクと歩き回らなければならないのだ。
一昨日のボクは1万7000歩超を歩いたのだ。
ボクもれっきとしたジジイになっているから、若いころと違って結構くたびれるのだ。俗に言うところの足が棒になるってやつである。
オムツをしたお爺ちゃんがテクテク歩いて全コースを回っているのだとしたら大したものである。
もちろん、紙オムツゴルファーの存在は止むにやまれぬ事情があってのことではなくて、むしろ積極的な気持ちで出現したものに違いない。
外に出て出歩くことは家でじっと動かないでしょぼくれているより数十倍数百倍健全である。
しかも1人ポッチではなくて3、4人でワイワイ言いながらプレーするのだ。何より心の健康に寄与するところ絶大だと思う。
そのパワー、不屈さにボクはむしろ感心する。
紙オムツゴルファーが何人存在するか知らないが、湘南ボーイの慣れの果てのジジイどもを見直した。
不屈さは言わずもがな。何よりオシャレではないか。人生を洒落のめす意気やよし。
文章とは関係ないけど山形・加茂水族館のクラゲ
これが件のトイレ内の注意書き
う~む!
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