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平方録

半島の春を訪ねる

車で出かける用事があったついでに足を延し、三浦半島の先端の漁港の町までドライブしてきた。

太平洋、相模湾、東京湾と三方を海に取り囲まれた半島は低い丘陵が続き、特産のキャベツやダイコンの畑が見渡す限り広がっている中を、道はくねりながらアップダウンを繰り返す。

丁度春ダイコンの収穫時期で、掘り上げたばかりのダイコンをこれでもかというくらいに満載してヨロヨロ走る軽トラックとすれ違ったり、収穫を終えて春キャベツに植え替えられた畑ではキャベツが玉になりかけていて、パッチワークのような丘陵が緑に染まり出しているところなどは、如何にも春爛漫が近づいていることをうかがわせて眼福の光景である。

三崎に行く時は必ず立ち寄る漁港脇の魚屋の店先は冬の魚と春の魚が仲良く並び、その賑やかなこと♪

顔見知りのおかみさんに聴きながら肝の美味しいカワハギ、貝好きなら是非お刺身でと勧められたほら貝、そして歯ごたえが心地良くて甘いですよといわれたメトイカを刺身で。

それと小振りのムツは煮つけにするとおいしいというので、久しぶりに煮つけもいいなと、翌日の夕ご飯用に買って来た。

漁港に併設された道の駅のような施設で採れたての野菜もドッサリ手に入れ、まるで買い物ツアーのようになってしまったが、手に入れてきた魚類や野菜の数々を眺め渡して見れば、確かに春は足元までやって来ていることを実感させられた。
そして夕食。
もちろんよく冷やした日本酒を中心に、初めて口にしたほら貝の刺身は噛みしめるごとに潮の香りが漂うかのようで野趣に富んでいて、そこからじんわりとうまみが広がっていき、なるほどこれはおかみさんが勧めるわけだと大いに納得した。
メトイカの歯ごたえと甘さは山の神をして「これまで食べたイカの中で一番美味しい♪」と言わしめるほど。
日本酒で溶いて醤油をちょっと垂らしたカワハギの肝に、刺身をつけて口に運べば、タイやヒラメの刺身より数倍、いやっ数十倍おいしい旬の味になる♪
 
野菜も含めてどれもこれも旬の味で、おまけに地産地消♪
これほどの贅沢は他にはあるまいと、心地よく酔いの回った脳ミソが申しておりました。
 

三崎の魚屋さんの店先には目移りするくらい豊富な種類の魚が並んでいる


画面中央の馬面をして腹に丸い模様が一つある魚はマトウダイ
見てくれは決してハンサムとは言えないが、刺身にして良し、煮つけにして良しだそうだ
その下のヒョウ柄模様はイシガキダイ

スーパーやデパ地下の魚屋に並ぶ切り身や刺身になってしまった魚より数倍美味しそうでしょ♪
 
珍しがるのは最初だけ 一度口にすると病みつきになるからだろう「一番人気」とある
 
遠くからでも威勢のいい掛け声が響いてきそう
 

カワハギ、メトイカ、ほら貝が昨晩の食卓を飾った刺身3種
立派なカワハギでしょ♪
 
左からほら貝、メトイカ、カワハギ(肝を溶いた小皿は撮り忘れた)


寒冷紗の張られたキャベツ畑越しに房総半島が薄く見えている


東京湾と劒崎灯台


寒冷紗がはがされ、玉を結びつつあるキャベツ


ダイコンを収穫したばかりの畑 右奥の山は房総半島の鋸山
 
起伏に富んだ地形
 
太平洋を背景に見渡す限り緑のキャベツ畑が広がりはじめている
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