平方録

宣戦布告じゃぁ~

暖かい日が続くようになってきて、庭の植物の成長が著しい。
すっかり葉を落としていた木々の枝先にも春はやって来ていて庭に限らずわが家周辺の見渡す山腹も、そうとはっきり認識できるわけではないが、もわぁ~っと霞み始めていて動き出す気配を漂わせている。
ヤマザクラの仲間には花と一緒に葉を茂らせ始めたものもあるし、野山に自生しているマユミなどはとっくに柔らかそうな薄緑色の葉を広げ、先頭を切って笑い始めた。

わが家の庭先も例外ではなく、わけても肥料をたっぷり与えられたバラたちの勢いは増すばかりで、つやつやして油でも塗りたくったような新しい葉が太陽の光を反射させている。
つるバラの中には早速つるを伸ばし始めるものもあって、柔らかでみずみずしいつるが伸び始めてきているのを眺めるのは命の輝きを目の当たりにするようで、ワクワクするものである。
そんな嬉しい気分が一瞬にして凍り付くときがある。

よりによってというか、まさにその柔らかでみずみずしい枝先を狙ってアブラムシが樹液を吸いに集まるのだ。
それも枝先が全く見えないくらいビッシリと枝先を覆いつくして張り付いている。
米粒よりも小さな薄緑色をした虫で、よくよく目を凝らして観察するとヒゲのような触角はあるし足だって案外長いのが6本ついている。
口先には白っぽい棒のように見える突起があって、おそらくこいつを和らなか枝先にブスリとさして液を吸うのである。

考えただけでもおぞましい光景ではないか。
テントウムシがこのアブラムシの天敵だが、あんなにビッシリ枝に張り付かれていては如何に天敵と言えどもひるむんじゃないかと心配になってくるほどの密集ぶりなのである。
第一、こんなことをされて樹液を吸われたらその新しい枝の伸長は望めなくなってしまうし、新しい枝が伸びなければ花もつかない。
大打撃なのだまったく!

アブラムシ駆除には強力な農薬をかけるという手があるが、ボクは去年から出来るだけ農薬は使わず、使うなら植物由来の成分で天敵たちや無関係の生き物たちに被害が及ばないように注意を払っているのだ。
農薬を使わないとなると次善の策の一つにガムテープ作戦ってのがある。
こいつはアブラムシが密集しているところにガムテープの粘着部分を当てて一網打尽にくっつけて捕獲するのである。
これは大いに効果があって、安全かつ簡単である。丸めてしまえば捨てるのも簡単だ。
ただ、手の入りにくいところなどには向いていないので、そういう場合は植物由来の薬品かソフト農薬と呼ばれるものを使う。

ボクが使ったのはでんぷんを使った「粘着くん」という名前の液剤である。もちろん天敵にまで被害を及ぼすようなことはない。
薄めて使うのだが、これをアブラムシが浴びるとでんぷんの成分が作る幕が体を覆うので呼吸が出来なくなって窒息死するのである。
一網打尽に吹きかけるとより効率的、効果的に退治が出来るのだ。

庭のバラのすべての新しい枝先を注意深く点検してみたが、今のところ被害が出ていたのはここだけだった。
本格的な勝負はこれからである。
勝手なふるまいは絶対に許さない! 宣戦布告である‼

そうか、今日だったな証人喚問は。粘着くん、出でよ!




アブラムシってこんなだったんだ!






窒息したアブラムシの多くは落下したが、黒く変色してそのままへばり付いているものも多く見られ、よく見ると触角やら長い足が生きている時以上によく分かる


大部分は薄暗い部分に集まっていて見えにくいが、アブラムシはバラの枝の地肌が目ないくらいにびっしりと張り付いている

口直しに

近所の散歩道に咲いていたキイチゴ?

コメント一覧

heihoroku
Re:いいなぁ、美しいだろうなぁ。
高麗の犬さま
バラは早咲きのモッコウバラを除いて概ね大型連休あたりから咲き始めます。
しばらくはバラゾウムシを含めて害虫との戦いです。
でも最大のターゲットは2本足の害虫なんですよ。こいつだけはなんとかしたいです!
高麗の犬
いいなぁ、美しいだろうなぁ。
大事に育てられた健康優良児のバラの葉の伸びていく様はどんなにか美しかろう!まさに蓮華国が現前していますな。しかしアブラムシには慈悲心無用!あったりまえだ!やっつけちまえ!
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「随筆」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事