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平方録

キンエノコロとノーベル賞

 




今朝、まだ夜明け前のベランダに出てみると空気がヒンヤリ冷たい。
昨日までは裸同然の格好で外気に触れても、ちっとも寒くなく、夜明け前の空気はむしろ清々しいくらいだった。
真夏が続いていたのだから当然だが、さすがに今朝の空気はTシャツ1枚に短パンを許してくれない。
仕方なくGパンを引っ張り出して足を覆い、Tシャツの上に長年着て生地が薄くなってしまっているフリースを羽織る。
まぁ、10月なんだから仕方ないか、とも思う。
しかし、陽が上ればまだまだ短パンの出番は続くはず。
木枯しがびゅうびゅう吹き付けない限り、自転車でパトロールに出かける時は短パンにひざ下までのストッキングを履けば、年内は何とかなるだろう。
そして冬至以降は冬眠すればいい。
寝ている間に春が巡って来るだろう。
 
近所の池と森の公園を歩いているとエノコログサがキラキラ光っている。(見出し写真を含めた3枚)
光線の関係かと目をパチクリさせて見てみるが、光りの当たり具合が変わっても金色に見えるので「?」と思う。
猫じゃらし部分に密集して生えているヒゲそのものが黄色いようである。
それが秋の柔らかな日差しを浴びて、風に揺れる穂先の動きとともにキラキラ効果的に光るのだ。
 
どうもそういう種類があるらしい。
「キンエノコロ」と言うそうだ。」
いつもお邪魔している女流画家さんのブログでその存在を知ったばかりだった。
驚いたことに、このキンエノコロは普通に見かける光らないエノコログサより大先輩で、エノコログサが縄文時代中期以降に入って来たのに対して縄文以前の最終氷期から自生しているそうな。
 
最終氷期っていつよ?
「およそ7万年前に始まって1万年前に終了した一番新しい氷期の事である」(wikipedia)
人類の誕生が20万年前だから、我々の方が先輩ではあるが、そうはいっても地球46億年の歴史の中では、どちらが先かと争っても、この程度の差は‶目くそ鼻くそ〟の類にしか当たらない。
むしろキンエノコロが金色の光を発散させながら静かに地球環境に溶け込んでいるのに対して、ヒトはどうなのさ、と懐疑的にならざるを得ない。
このヒトの不始末が引き起こしている地球環境の変化、つまり気温の異常上昇に警鐘を鳴らす科学的なモノサシを最初に提示したのが日本人研究者だった、というのを初めて知った。
すごい人がいたもんだ。
 
しかし、ノーベル賞を与えられるほどの、こういう温暖化のはっきりした数値を捉えることができるようになったからと言って、人類は温暖化を食い止め、生存の危機から脱却することは出来ないと思う。
それくらい愚かな生き物なのだ、ヒトと言うのは。
自己中心的で、自分さえよければ、今が楽しければ、今が豊かならば…そうとしか考えられないのだから仕方ない。
でも、そうやってノー天気で欲望のままに暮らしていくヒトは破滅を見ないうちに寿命が尽きていく。
つまりオイシイところだけを十分に享受し尽くして去っていく。別な言い方をすれば「食い散らかして…」だ。
哀れ、食い散らかされ、ひどい環境の地球に取り残されるのは後から生まれる人間ばかりで、やがて種そのものが死に追いやられ、絶えていくはずである。
 
人類の英知…それを結集して…なんて言葉が通用するものか。幻想だ。
おとぎ話の世界じゃあるまいし…
 
 
 
 
 
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