ヒジキやワカメは海のものだとばかり思っていたが、ヒジキについてはもうだいぶ前のことになるが「オカ」(陸上)にもあることを知り、今度はワカメが「オカ」にも生息しているんだということを知らされた。
その名もヒジキの陸上版がオカヒジキなら、まだ見ぬワカメの陸上版もオカワカメというんだそうである。
名前に限ってはどうにも工夫の足りない名付け方であるように思えるのだが、本家本元に寄り添った名前にしなければ連想してもらえず、理解されにくいから、これはこれで致し方ないのかもしれない。
そんな思いでいるところに、昨日、山形の友人のところから宅急便が届いて、その「オカワカメ」なる植物と初めて対面したんである。
早い話が葉っぱである。
ちょっと分厚く、色は濃緑である。大きさは小さな手のひらくらい。
匂いに特徴的なものはなく、色の濃い葉っぱに共通する、やや「緑臭いかな?」という程度で、気になるものではない。
友人の勧めに従って、これをさっとゆでると濃い緑が透き通ったようなやや明るさを帯びた緑色に変色してきれいである。
ワカメも熱湯にさっとくぐらせるとパッと明るい緑色に変身するが、名前の通りオカ者もよく似ている。
口に入れる食材にとって大切な要素の一つに「見た目」というものがあるが、見た目は悪くなく、まずは合格点をあげてよい。
さぁ~て、お立合い! いよいよ口に含む時がやってきましたぞ。
………?!
匂いがないことは既に書いた通りで、湯にくぐらせても同じことである。
箸でつまみ上げると、やや糸を引く感じで粘り気がすこしあるところはワカメに似ている。
食感はコリコリと言ったところか。
つまり食レポを総括すると、これは確かにオカのワカメなのである。それくらいワカメに似ているのである。
ちなみに本家のワカメには非常に豊富なβ―カロテンのほか、ビタミンB群、ビタミンK、さらにはカリウムやマグネシウムのミネラル類に富んでいるが、オカワカメにも健康維持に欠かせない必須ミネラルのマグネシウム、亜鉛、カルシウム、ビタミンAなどがたっぷり含まれているんだそうだ。
ここでもオカ者は堂々と渡り合っているんである。
オカヒジキはもともとオカヒジキという名前で、ヒユ科オカヒジキ属の1年草だが、オカワカメは俗称である。
正体はツルムラサキ科のつる性植物で「アカザカズラ」という正式な名前が付いているのだ。
別名「雲南百薬」(ウンナンヒャクヤク)とも呼ばれ、中国から伝わったようである。なるほど、百薬の名が伊達に付けられたものではないことが分かる。
友人は湯がいた後、おかかを振りかけてちょっと煎り酒を垂らして食べるんだと言っていたが、最初なのでおかかは振りかけず、そのまま食べ、次に煎り酒をちょっぴりかけて食べてみたが、やはり味をつけたほうがよりおいしかったのはワカメと同じである。
酢も良いかもしれない。
今度スーパーで探してみよう。これまで気が付かなかったが、どうやら売っているらしいのだ。
かくして、国会では前代未聞の茶番で滑稽な遁走劇まで見ることが出来、新たな食材にも出会ったりで、生きているという事は何とも楽しいことである。
遁走劇の方は続編を楽しみにしていよう。
〝湯上り〟の後はワカメそっくりの鮮やかな緑色に変わったオカワカメ。これに煎り酒をちょっぴり垂らして食べてみたらワカメになった。
これがオカワカメの正体。葉がちょっと厚いのが特徴。
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