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平方録

静かに通り過ぎておくれ

ほんのちょっと前まで降っていたらしく、2階のベランダはたっぷり濡れているが今は止んでいる。
2階の屋根の高さに届いているカツラの枝に付いた葉が時折チラチラと小さく動くだけだ。
空気は生暖かく、しかも動きを止めてしまっているようで、どことなく不自然な感じがしている。
耳を凝らしても波が打ち寄せて砕ける音は聞こえてこない。
…と、また音もなく雨が落ちてきた。
小粒だが濃い密度で落ちてきているようで、所々に残っているうっすらとした水たまりにしきりに波紋を描いている。

パソコンに向かっている今は、午前4時30分ちょうど。
午前3時現在の台風3号は静岡県浜松市沖の南70kmの海上を時速50kmで東北東の方角に進んでいるという。
気圧は996Hpa、最大風速20m、最大瞬間風速30m。
落ちてきている雨と同様小粒だが、小さくたって台風は台風と言うことなのだろう。
余り緊張感はないけれど…

台風の進路の右側に入る地域では台風の進行方向に向けて吹き込む風に台風そのものの速度が加わって、ことさら強烈な風が吹くので注意が必要なのだが、今度の3号は本州の南岸沖を通る予想なので、わが陸地は進行方向左側と言うことになる。
おめおめ油断するわけにはいかないが、状況的には気が楽と言える。

そんなことを書いていると、もう雨は止んでいる。
カツラの葉も動かない。
もう台風ではなくなって、温帯低気圧に衰えたのかもしれない。
その方がいい。
適当な雨だけ降らせればいいのだ。
余計なことはしないで静かに通り過ぎてくれ。

台風が通り過ぎると奇麗に澄んだ青空の広がる台風一過の空が期待できるのだが、この小粒台風に台風一過は期待できないという。
そればかりではなくて、台風接近に伴って北上した梅雨前線はそのまま本州に居座り、向こう10日間ほどは傘マークがずらりと並ぶらしい。
梅雨なんだからと言ってしまえば身もふたもないが、梅雨の晴れ間って言う言葉もあるくらいだ。
いくらなんでも10日もぶっ通しで降らなくったっていいだろうに。

ボクは太陽が出ていないと機嫌が悪くなる。
しかも真夏の太陽が好きなのだ。
梅雨明けはまだか。
早くあの「白い太陽」に会いたい。

ピンポイント予報では10時から3時間ほどは晴れマークがついている。
台風一過の真似事か。
とりあえず3時間でもいい。
どう使おうか…

昨日14:33の江ノ島防波堤から北の方角を映す
見出し写真は今朝05:43のまったくのっぺりした東の空


同じく東の方角を見る

こちらは西南西方向




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