珍しく北風が吹いていて、しかも曇っていたのでいつもより涼しい朝を迎えていた。
この様子なら久しぶりに長めのパトロールができそうだと、その気になった。
早速、支度を始めたら、あれよあれよという間に雲がどいてしまって再び強烈な夏の太陽が現れ、猛暑の夏があっさり戻ってきてしまった。
マリリンモンローはノーリターンだったが、炎帝は今のところ不死身の猛者である。
せいぜい15分か20分くらいの間の出来事である。
キツネにつままれる思いというか、夏の空模様が急変するのは珍しいことでもないのだが、それにしても歌舞伎の舞台の書割じゃあるまいし、一瞬と言ってよいくらいの早変わりには驚いた。
仕方なく自転車はあきらめ、近所の散歩に切り替え、久しぶりに池と森の公園まで散歩してきた。
ボクの"夏の制服"は半袖のTシャツに短パンなので 、森や草むらではヤブ蚊をはじめとした虫に狙われやすい。
それで、そもそも海の景色の方が好きなことに加え、たとえ日陰がなくても「海の方が涼しい」と信じているので、足は海にしか向かないのだが、今回は「たまには…」という気になった。
森というのは中に入ってしまうと、あまり風が通らない。
したがって木陰だらけではあっても、結構蒸し暑い。
おまけにここ2日間降った夕立のおかげか、地面は湿っていて森全体が蒸れてしまっていた。
緑陰に置かれたベンチに人影はゼロだし、公園を訪れる人がそもそも少ない…というか、ほとんど見かけない。
虫よけを手足と顔に塗っていったので、蚊や虫に食われることはなかったが、やっぱり真夏の森は…というところか。
新緑のころには気持ちがよくてしばしば訪れた場所だが…
水がある分、涼しげには見えることは見えるが…
モクモクと盛り上がるような濃い緑が印象的ではある
どれだけの生き物がこの森に生きていることか
大きな望遠レンズの付いたカメラを持った人がカワセミを狙っていた
山形の立石寺では岩にしみいる蝉の鳴き声も、ここでは森に染み入っていく
風が通らないところの森の中は蒸れるように暑かった
カラスウリがもう実をつけている
カラスウリの花
今朝まで咲いていたカラスウリ
2日間の夕立ちのせいか、湧き水はそこそこに豊富だった
草むらが除草されてしまっていて、楽しみにしていた野の花が全く見られず、わずかに刈り残されたところにシロタデを見つけただけ
森の奥の道沿いにキツネノカミソリが生息しているところがあり行ってみたが…
1本だけ茎が伸びていてつぼみを膨らませていたから、あと3,4日で咲くことだろう
てっぺんの部分がないが、これもキツネノカミソリの茎だろうか…
空蝉のごとく服脱ぐ背を明けて 加藤三七子