いつの間にか午前5時前から東の空が白み始めるようになった。
一旦、夜が明けるとその明るさを増す速度はあれよあれよの勢いで、隠されていた周囲の景色はみるみる姿を現す。
外の空気はまだ冷えるとはいえ、身を切るような寒さはない。
いつも頭上に輝いていたオリオン座の姿も今はもうなく、季節が冬から春へと移り変わったことを物語っている。
地虫出て土につまづきおりにけり 上野章子
今冬の寒くて長かった冬に辟易していた時、啓蟄を迎えて「あぁ、これでようやく春めきそうだな」と嬉しい気がしたものだ。
あれからもうひと月が経った。
寒暖を繰り返したあげく、今、目の前に広がるのは周囲の山腹に点在するヤマザクラの残り花と「選手交代♪」と元気よく飛び出して来た新緑の眩しいくらいの輝きである。
清明な空気と差し込む明るい光に輝く新緑の美しさは花にも負けないくらいの、息を飲む美しさを見せている。
その輝きを目の当たりにすれば、バレリーでなくとも「いざ生きめやも」と声に出したくなるほどに魅力にあふれ、心も弾む。
「いいね」ボタンを見つけ出して、気が済むまで押し続けたい気分だ。
新緑ぅ~~~♪
こちらはわが家のカツラの新緑
わが家の落葉樹の中では一番の早起き
成長すると奇麗なハート形の葉になる
今年の春は何年かぶりに赤い糸くずのような花をたくさん咲かせtくれた♪
キャラメルとか綿菓子とか、いい香りがするが新芽を嗅いでも何も匂わなかった
にはとこの新芽を嗅げば青臭し 実にしみじみにはとこ臭し 木下利玄
この写真は2月22日に近所の公園で撮った 詠み手はまだ真冬の大自然でひときわ早く目覚めたこの植物を目の当たりにして、素直に感動しているのだと思う
一旦は赤になる気で芽吹きおり 後藤比奈夫
これはバラの「空蝉」のツボミと新しい葉