まだ夜明け前、周囲の低い山並がもやの奥にボォ~ッと霞んでいる。
霧雨のような細かな雨が、そうとは気付かれないよう、まとわりつくように降っている。
そういう天候だからか、外気と霧雨に身を晒しても寒さは感じない。
無論、暖かい…というわけではないが、明らかに冬とは違うなと実感する。
隣町のアメダスの記録によれば午前4時の気温は11.1℃あったから、今朝は確かに寒さは緩んでいる。
ただ、予報によれば昼前までこのまま弱い雨が降り続き、止んでも気温は13℃どまりだそうだから、昨日に続いて不景気な空模様が続きそうで、「催花雨」などとしゃれた名前で呼ぶ向きもあるが、所詮は菜種梅雨だろうと思うとうんざりしてくる。
昨日「春風駘蕩 今だ来たらず」と書いたばかりだが、それにいつけても春の長閑な日差しと暖かな空気が待ち遠しい。
昨日は外にも出られず、こたつに入って大相撲の千秋楽をテレビで見た。
何より110年ぶりという歴史的な偉業を達成するかもしれないという期待がかかる若者が現れたというので、特に注目した。
前日の取り組みで勝てば優勝が決まるという場面で一敗地にまみれ、あろうことか右足首のじん帯を傷めて車椅子で退場し、この日の出場さええ危ぶまれていた件の尊富士という力士が、「休場して後々後悔したくない」と出場を強行し、真正面から相手とぶつかり攻防の末、新入幕優勝という世紀をまたぐ快挙を成し遂げてしまった。
こういうのを「あっぱれ!」というのだ。
その瞬間の土俵上の勝者の表情がテレビに大写しになったが、若者は感情を押し殺すことは出来ず、嬉しさに口元をほころばせたような、感極まってこぼれそうになる涙をこらえているような、なんとも微妙で、複雑な表情が交互に浮かび、歴史的快挙とはこういうものかと胸に響いた。
良いものを見せてもらった。
110年間の長きにわたって記録を保持し続けた力士は関脇どまりだったそうだが、令和のヒーローにはもっと上を目指してもらいたい。
近所の一家と森の公園のジャヤナギがきれいな若草色の新芽を一斉に吹き始めた♪
池の対岸にある、名前も分からない木の芽吹きもご覧の通り♪
道端の崖地に生えているタラの木にも新芽が…
去年は2つしか新芽は出ていなかったが、今年はこの写真だけで3つ写っている
もう1本の枝にも複数の芽が出来ている…
去年はまだ少し早いだろう、と思っていて、2日後くらいに見に行ったら既に何者かに刈り取られてしまっていた