見出し画像

平方録

風呂場こそ勉強部屋???

オリオンは既に傾いてしまっていてどこだかよく分からなかった。
代わりに、ほとんど真上の空やや北寄りの位置に北斗七星のひしゃくが浮かんでいるのに気付いて北極星を探したが、屋根に邪魔されて分からなかった。
午前4時を少し回った時刻。
周囲の家々が寝静まっているまだ真っ暗な2階のベランダに、ほとんど裸のような格好で出てもちっとも寒くなく、季節がゴットンと音を立てて動きかけているのを実感する。

今日は20℃まで気温が上がるという予報が出ているが、既にその片鱗が現れていると言っていいのかもしれない。
それにしても、寒さ大っ嫌いニンゲンにしてみれば暖かくなることは大歓迎だが、寒さの底と言われる2月に4月下旬並みの陽気が現れるということを喜んでいいものかどうか…
徐々に徐々に温かくなっていってくれれば、一足飛びに行かなくったって何の文句もないんだけれど。

天気予報でしばしば登場する「平年」という単位。
「平年と比較して〇〇℃も高い」とか「明日は平年並みの陽気になるでしょう」などと言う具合に使われているなじみ深い表現である。
気温や降水量など様々な気象データの過去30年間の平均値を現すのが「平年値」という訳だ。
雨量などを例に取れば「平年より少ない」と聞けば水不足が心配になるし、逆に「平年と比べて多そう」なんて聞くと今度は災害の心配が付きまとったりする。
そういう一つの目安として役立つ数値と言ってよい。

今日予想されている気温20℃が4月下旬並みと表現されるのは平均気温が20℃になるのは東京地方の場合で4月下旬ということで、他の地域ではその数値も当然違ってくるが地元の気象台でそれは分かる。
ともかく、平年に比べて2か月も早いポカポカ陽気だということの判断材料になる指標という訳だ。
こんなに早いとなると佐保姫の支度が整っているか、ちょっと心配になって来るが、今頃大慌てで仕度しているやもしれぬ。

この平年値が今年5月に変わるそうだ。
西暦の1位の数字が1になる10年ごとに更新されているので、2021年はまさに当該年。
従って4月いっぱいまでは1981年~90年、91年~00年、01年~10年までの30年の平均値だったものから81年~90年が外れ、新たに11年~20年までの直近の数値が加わることになる。
この結果。東京地方の平均気温を試算すると「0.3℃」上昇するという。
平年値が0.3℃上昇? 何だたったの0.3℃か、大したことないじゃん…と思いたくなるが、そうじゃなくて過去の上昇例と比べても専門家が「えっ!」と驚くほどの上昇ぶりだという。

80年代の平均値が最近の10年間の平均値と比べて低く、つまり、地球温暖化の影響がまだ顕著には表れていなかった最後の10年が記録に残っていたため、全体が引き下げられていたんだそうだ。
5月以降は物差しそのものが変わるから、平年値の中身はより最近の数値が反映されたものになるわけで、真夏の35℃が平年値になってしまうなんてこともあり得ることかもしれない。
例え40℃を記録したって平年よりわずか5度ほど高いだけですなんて…ね。

日本製の防水ラジオを買ってね、風呂場で得た豆知識ですな。
耳学問てやつで、役に立つんだなこれが。むふっ ♪


見出し写真は北鎌倉・浄智寺のスイセンとカワヅザクラ
ネコも浄智寺のネコ。名前は知らない。行くたびに出会う

水を飲み終わって歩き出したところでiphoneを向けたら怪訝な顔をして立ち止まり、こちらの様子を注意深く観察された

すると、すぐに察したのか居住まいを正し、尻尾も横に置いたお行儀のいい姿勢でポーズをとってくれた
別にネコ好きなんかじゃないけど…

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「随筆」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事