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平方録

脅かすなよ…ったく!

一瞬、ドキンとして心臓が止まりそうになったぜ。
…ったく、脅かすなよ。

いや、なにね、新聞の経済欄に載ったある記事の中身のことさ。
去年の暮れから、そのことでボクは本当に心配し、あれを卓上に置いておかないとブログも書けないし、熟柿を食べるうえであれがなければスパイスの入っていないカレーを食べるように物足りなくなるだろうし、そもそも生活の中におけるうるおい、メリハリが無くなってしまうじゃないか、どうしてくれるんだ ! というタマシイの叫びを発したくらいなのだ。

だから金のワラジを履いて探し回った(うっそピョ~ン)挙句、ようやくツテを頼って1本をゲットできた時には思わず随喜の涙を流したものだった(これもうそピョ~ン。嬉しかったけど涙はこぼれてない)。
あのテのものは手を尽くして1本が手に入ると、2本目は案外たやすく手に入るものと見え、フトしたことで妻が隣町の何でもないスーパーマーケットの棚にたった1本存在するのを発見し、しかも定価よりもディスカウントされたそれを「キツネにつままれたような気持ち」(妻談)でゲットしてきたのだった。
それだけではない、ボクがのぞいたお酒のスーパーマーケットなる行きつけの店でも、店員が奥から「1本だけですよ」と何やら禁酒法時代のシカゴの場末の酒屋の奥でこっそり行われる秘密の取引めいた様子(見たことないけど…)で分けてくれたのだった。
(この辺の話は拙ブログの12月13日の「プレミア付きでしか手に入らないってさ」、12月17日の「じゃぁ~ん 2本も!」、12月20日の「越冬準備カンリョォ~」で3度もしつこく書いた)

あの頃、ボクはまさに「渇望」という2文字に取りつかれ、街を彷徨していた。
あんな心細い思いはもう金輪際御免こうむりたい。
それが本音なのに…
その経済欄の記事はボクが金の草鞋を履いて街を彷徨してまで探し求め、さらには知人の手や妻の手を借りつつようやく手に入れたその琥珀色の液体の…ええイッ、 回りくどい ! 
つまり国産のある銘柄のウイスキーのことさ。
本場スコットランドにウイスキーづくりの勉強に出かけて技を習得し、帰国後はスコットランドの気候風土によく似た北海道の余市でスコッチに負けず劣らずのウイスキーを作り続けた男の手になる一品なのだ。
それがあろうことか、販売中止 !!!!!!!!!! になると伝えているではないか。
おぉ、神よ ! 仏よ ! こんなことってあるのでせうか…あっていいのでせうか…
庶民のささやかな楽しみを奪っておしまいになるおつもりですか。おぉ、何とむごいことを…
神にも仏にも見放されて、ボカァどうやって生きていけばいいって言うのでせうか。

その叫びがもしや通じたわけではあるまいが、何と記事の末尾に申し訳程度に書き添えられた数文字を呼んでボクはホッと安堵の溜息を洩らしたのだった。
販売中止になるのはビンテージものの17年、21年、25年モノで、売れすぎてもう原酒が底をついてしまったそうである。
でも、ボクが飲んでいる安価なノンエイジのそれは、リニューアルして販売は続けるんだという。
リニューアルって言葉の中身が気になるけど、ともかく銘柄は残るということだからひとまずは安心で、これでブログの筆、いやモトイ、指が鈍ったり滞っても潤滑油の枯渇に困ることも無かろう。

まったく脅かされたものでごりまするが、何はともあれヤレヤレの一安心——というお粗末な一席でございました。
それでは今朝はこのくらいにして、ご機嫌ヨロシュウ。



昨日の湘南海岸から見る富士山はまるで春霞に浮かんでいるよう



相模川河口付近から見る江ノ島もまた春めいた日差しの中にたゆたう
見出し写真は昨年末の豪華絢爛 ?! な光景。もはや2本目は5分の2ほどを残すのみ。残りは1本だけという段階で、まさかの販売中止の記事を読んだのだが…
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