新元号を知ったのはヤマザクラを見に山の中を歩いていて休憩した時だった。
スマホに届いた速報でその漢字2文字を見た時、へぇ~!と感じつつ、何だよ「令」ってのは「おきて」とか「法律」って意味だろう。
まずは「タガ」をはめようって魂胆か、と嫌な感じを受けたのだ。
そして届いた夕刊に載っていたアベなんちゃらの談話とやらを読んで、こいつやりやがったなと思った。
曰く「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つ、という意味が込められている」「厳しい寒さの後に春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように、一人一人の日本人が明日への希望とともに、それぞれの花を大きく咲かせることができる。そうした願いを込め、令和に決定した」。
この談話を読んで、「のり」「おきて」「法律」という意味を持つ「令」の存在が浮き彫りになった。
「人々が美しく心を寄せ合う中で」というのが「和」を意味しているんだろうが、「『和する』にしたって『令』が必要ですからね」と念を押しているのが、この新元号に込められた真の狙いなのだ。
つまり、自由奔放にやられちゃぁ困るよ、花を咲かせるにしたって、ちゃんと社会の規範に従う中でしか認めませんからね、と言っているに等しいのだ。
大日本帝国憲法下で君子に隷属させられ、女性には参政権すらなかった時代のイメージなのだ。
これはまさに、アベなんちゃらの真骨頂というか、主権在民を苦々しく思い、国民からできるだけ自由を奪って羊の群れに変えようと目論む憲法改正論者たち、言い換えれば右ウイングの人たちの願望の表れだということが分かる。
総理大臣になる前に出版した「美しい国、日本」に書かれていることはまさに、自由の制限であり、抽象的な精神世界の中でただひたすら頑張るのが美しい伝統的な日本人だと言っていること全く同じなのだ。
今回、元号を考案するにあたって引っ張り出してきた出典が従来の中国の文献からではなく、万葉集になったのも、日本で書かれたものから選ぶべきだという声がアベなんちゃら支持層から出ていたことと併せ、予め「これこれこういう意味を持った元号を考えてくれ」と特定の学者に頼んだことは想像に難くない。
元号せん定作業をどんなに麗々しく行ったとしても、最初からこの元号が決まっていて、集まってもらった有識者らを誘導していくなんてことは朝飯前のように簡単なことだったのだ。
主権在民の現行憲法を変えたくて変えたくてうずうずしている連中がアベなんちゃらの背中を押して、せめて元号に足跡を残そうと目論んだのが成功したというべきだろう。
気の毒なのは令和天皇になる現皇太子だが、美智子皇后の血を引いているのだからアベなんちゃらたちの目論見を打ち消し、むしろ国民統合の象徴として国民を和するために自らに「令」を課していくような天皇になることを望むね。
アベなんちゃらがいくら図々しくたって自分の名前の安倍晋三から2多文字を取った「安普」なんて元号じゃァ、安普請のみすぼらしい住宅を彷彿させて、個人の名前についている分にはピッタリでも、ちょっとないんじゃないかと思っていた。
ネットの世界ではそうやって盛り上がっていても、実際はもう少し念が入っていて、実に不埒な思惑を込めたのが今度の元号に他ならない。
一大汚点としか言いようがない。やりやがったのだ。
分け入った広町緑地ではウラシマソウの花が鎌首をもたげるように咲いていた
玉手箱を開けた浦島太郎は昔に連れ戻されちゃうんだよなぁ
午前中、素晴らしい青空が広がっていたが、にわかに不穏な雲行きになり、やがて雷鳴がとどろき、激しくたたきつける雨まで降ってきて……
風雲急ってところだね
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