昨日の食卓には小さな体にもかかわらず銀色に輝くピッチピチの生シラスが登場し、久しぶりの食感を堪能した。
こういう時は炊き立ての白いご飯とか、いやタケノコご飯だともっといいし、グリンピースご飯なら大好物だからなおさら良くて……でも生憎、わが妻はパン食を用意していたのでちょっと残念だった。
ただシラスをゲットした帰り道に葉山のパン屋に寄ってタケノコ入りのフォカッチャを買って帰って来たから、それが並んだのだ。
しかしフォカッチャにゆでて味の付いたタケノコが入ってはいても所詮パンはパンである。
この辺のズレについてボクは飲み込むしかない立場なのである。
まぁ、残日の境涯に入ったとはいえ、まだ日は高いのだ。
これから先、グリンピースご飯に今売り出し中の湘南ハマグリの吸い物が付いて、菜の花とかカラシ菜のお浸しとか地場産の旬の食材が並び、そこに冷えた日本酒が当然の如く添えられる日も来ることだろう。
楽しみというものは先にとっておくものなのだ。
さて、話をシラスに戻そう。
相模湾では元旦から3月10日まで資源保護のためにシラス漁は禁漁になる。
それでも湘南海岸や鎌倉の町のレストランや食堂ではシラスメニューが人気で店もにぎわっているが、口にしているのは冷凍ものなのである。
知らぬが仏とはこのことで、その辺りの知識は持っていた方がいいように思うのだ。
それ以外の時期なら、大概は獲れたてのピッチピチを口にすることが出来るだろう。生は言わずもがな、釜ゆでだって獲れたてをさっとゆでたものはおいしいに決まっている。
でもここ2、3年の傾向なのだが、3月11日に解禁されても獲れない日々が続いてきたのだ。
江ノ島の目の前に流れ込む境川河口の網元が開いている店の裏で、やることがないのでワカメを刻んでいた若い船頭が「魚探にシラスの影が全く映らないんですよ。水温が低いんです。黒潮がはるか彼方に蛇行しちゃってますからねぇ」とボヤキ、「遅くたって大型連休前辺りには獲れ出してくれないと、観光客相手の飲食店も干上がっちゃいますよね」と真顔で心配する春だったのである。
それが、彼岸の中日に雪が積もるような寒波に見舞われた後は一転して夏日が現れたり、晴れの日が続き、ボクだって短パンで自転車を漕ぐようになって海水温も上がってきたようなのだ。
もうサクラもほとんど散り、新緑が目立つようになってきたからには、ほしい時にはいつでも手に入るというようでなければいけないのだ。
目には青葉山ホトトギス生シラス—―なんである。
県の水産技術センターのホームページによると、1月までは魚影が見えていたものが2月3月になって相模湾の水温が13度台に下がるとともにぱったり姿が見えなくなったんだそうだ。
それが獲れ出したということはやっぱり水温が上昇してきた証拠である。
やっぱりいつだって太陽は偉大ですナ。
オ~ ソレ ミィ~オ~!
お久しぶりぃ~ねぇ~ ♪
目には青葉山ホトトギス生シラス! カツラのハート形の新葉は枝中にどんどん広がっている
オトメツバキも「花の命は短くて…」と。春は風が強いのだ
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