平方録

薄情なババアどもに幸多かれ

昨日午後4時少し前のバスの車内での話。

ターミナル駅を発車したミニバスは座席が埋まり、立っている人がちらほらの状態だった。
次の停留所で赤ん坊を胸の前で抱き、買い物帰りの大きな荷物を持った若いお母さんが、しかも3歳くらいの幼児の手を引き乗り込んできた。
前の扉から乗り込んだお母さんはチラッと車内を見やって空いている席がないのを確認すると運転席後ろの手すりに幼児をつかまらせ、自分もそのわきに立った。
誰か席を譲ってあげるんだろうなと思っている間にバスは発車し、だれも席を譲ろうとしない。

ボクは前から4列目の席に座っていて、ちょっと遠かったのでこの段階では黙って成り行きを眺めていた。
ボクの前には女性が3人と反対側の「優先席」のサインが付いた2つの席にも女性が座っていた。いずれも50代と60代と思しき女性である。
ボクは終点まで乗ったので、このご婦人たちが大した荷物も無く、しかも軽々とステップを踏んでバスを降りて行くところをシカと見ているのだ。足腰のしっかりしたババアどもと言ってよい。
次のバス停は止まらなかったのでじっとそのまま座っていたが、その次の停留所で止まった時に立って行ってお母さんの肩をたたいて席を譲ったのだ。
この時点で、ボクの後ろに座っていた60代くらいの女性も気になっていたのだろう、ボクに続いて席を譲ろうと立ち上がった。

結論から言うと、ボクが譲った席には幼児を座らせ、ボクの後ろの席の女性が譲った席には「間もなく降りますから平気です」と言って座らなかった。
正直言うとボクはちょっと複雑な気持ちになった。
ボクは幼児に席を譲る気はない。泣こうがわめこうが、駄々をこねようが知ったこっちゃない。子供に席を譲るつもりはない。子供は立っていればいいのだ。
バスや鉄道の揺れは平衡感覚を養うには格好ですぜ。若者よ、足腰を鍛えよ! そう思っているのだ。

ボクが席を譲る気になるのはボクよりもヨレヨレのご老体が目に入った時か、若いお母さんが赤ん坊を抱いてしかも大荷物を持っているような時に限られるのだ。
それ以外でもお腹の大きな人が目の前に立てば席を譲るし、白杖を持った人とか松葉づえをついた人も同様である。臨機応変にやっているつもりである。
だから今回の場合では正直がっかりしたのだ。ガキに譲ったんじゃない! と叫べるはずもないし、黙って見過ごしたが、後ろのご婦人の行為を無視したのも気に食わない。
譲られる側にはエチケットってもんはないんだろうかと思いたくもなるが、それは手前勝手な理屈というもんなんだろう。

そんなことより目の前に幼児を連れ赤ん坊を抱いたお母さんが大きな荷物を持って乗り込んできたのに知らん顔をする女性たちって、ありゃ一体どういう了見なんだ?
家では意地悪な姑なんだろうね。今時同居は少ないだろうけれど、もしお嫁さんと一緒ならお嫁さんは毎日毎日意地悪されて泣かされてるだろうナ。きっと。
自分だって若いころは苦労を重ねて子育てをしたり家事を切り盛りしてきたんだろうに。幼児の手を引いてバスにも乗ったろうし電車にも乗ったろうに。いつだって自分の力だけで潜り抜けてきたわけじゃないだろう。必ずどこかで誰かの手助けがあって乗り越えてきているはずである。
それが今は知らん顔。ったく薄情なババアどもだ。ああいう連中が「美しい国日本」に賛同してアベなんちゃらを支持してんだぜ。つくづくそう思ったね。ヤレヤレだ。




一度芽吹くとそのスピードは早い。わが家のカツラはぐんぐん緑が広がっている


正式な名前は忘れたが、緑色の小花を咲かせるしだれのクレマチスが咲き出した


庭のアネモネとチューリップ。アネモネはこの色が好きである
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