この踏切はホームから5、60メートルしか離れていないため、電車が駅に近づいただけで遮断機が作動する。
やがて電車がホームの決められた停車位置にゆっくり止まり、ドアが開いて乗客が降り、ドアが閉まってようやく電車がそろりそろりと動き出すのである。
だから遮断機が下りて再び上がり、通れるようになるまで、結構な時間がかかるのである。
それが昨日は3分待っても5分待っても遮断機は上がらない。
電車から降りた乗客が改札口を抜けて、山門前の階段に行列を作ってもまだ遮断機は閉まったままである。
電車は駅に止まったまま動かない。前照灯を点けたまま、音無しの構えである。
そのうち上り電車がやってきて目の前を通り過ぎ、駅に止まって乗客の乗り降りを済ませて発車して行ってもまだ、動かない。
日曜日の早朝だから、人はそれほど多くはないが、それでも踏切のあちら側とこちら側には「どうしちゃったんだ?」という顔が止まったままの電車に向けられている。
とうとう山門が開く時間になってしまい、しびれを切らして遮断機の下をくぐってやろうか、という頃になって、ようやく動き出した。
電車の客には発車しない理由が伝えられたんだろうが、踏切で待ちぼうけをくらわされる身には何が起きたのかまったく不明である。
こういう修行の仕方もあるのかなぁ、という思いである。
円覚寺前の踏切では時々あったりして…。しかも、座禅会が開かれる朝だけの寺側の特別注文だったりして…。んなわけないか。
今年は「臨済禅師1150年、白隠禅師250年遠諱」という臨済宗の記念すべき年なのである。さまざまな行事が、去年から続いているのだ。そのためなのか、それともPR効果が行き届いてきたのか、今、禅がブームだという。
昨日も20人くらいの初心者が参加していたし、横田南嶺管長の経典解説を坐禅しながら聞くだけの座禅会だが、暖かくなってきたせいもあって、出席者の数も増えてきているようである。
関係ないけど、当方だって円覚寺で初めて座禅をしてから今年の夏で50年になる。そういう記念すべき年なんである。
低気圧の通過に伴う強い風が吹きつけ、雨も落ちてきた境内はモミジの若葉が目立つようになり、周囲の山のヤマザクラもすっかり葉桜になって、今咲いているのは八重ザクラのみという移り変わりの早さである。
ピンクの八重ザクラを引き立てるように、モミジの若葉が目立つようになってきた=円覚寺
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