そんなわけで家にじっとしているより野山を歩いて来ようという気分になって午前10時前には家を出た。
ひょっとすると初音が聞けるかもしれないとも思ったのだ。
警戒心の強いウグイスが身を隠すのに適した笹薮のある場所は周囲にいくらでもあるのだが、深い森ということになると広町緑地が群を抜いている。
何せ48ヘクタールもあるのだ。
去年の初音もここで聞いたから、今年も、という思いで足を向けてみた。
緑地に分け入ってアップダウンを繰り返していると汗がにじんできて、たまらず羽織って言ったダウンジャケットを手に持って歩く羽目になった。
脱いだダウンは家に戻るまでそでを通すことはなかったから、ずいぶん暖かかったのだ。
そんなことで、汗を拭き拭き「初音はまだか」と聞き耳を立てたのだが、耳に届くのはシジュウカラやその他の鳴き声ばかりで、ウグイスに関しては笹鳴きさえ聞けなかったのには少なからずがっかりした。
一昨日降った久しぶりの雨にぬかるんだじめついた細道で人とすれ違い、道を譲って待ってくれたその人に礼を言いがてら「もう初音を聞きましたか?」と声をかけると、苦笑いしながら「いやぁ~、まだです」という答えが返ってきた。
あの苦笑いの正体は「いくらなんでも少し早すぎませんか」という意味あいだったのだろう。
ぬかるんだ場所のすぐ先からは笹薮を抱えた谷戸に沿って長い木道が整備されていて、何度かじっと立ち止まって耳をそばだててみたが、やっぱりウグイスの声だけは聞こえてこなかった。
しかし、いくら早いと言ったって2月上旬から鳴き始めることだってあるのだ。
実際、数年前には6日だったか7日にわが家の玄関先で聞いたことがあるのだから…
春告鳥のあいつが鳴いてくれれば、文句なしの正真正銘の春だものね♪
ところで、昨日ベッドにもぐりこんだ時から腰に違和感がある。
ぎっくり腰の前兆のような、イヤな予感である。
来し方何度か痛い目に遭っているのだが、その前兆現象に似ている…
特段腰に負担をかける何事かをしたわけではないから、強いて理由を探せば寒さということになるのかもしれない。
数年前、イングリッシュガーデンの大アーチのせん定を手伝っていて、脚立の上に上がって寒風にさらされながら作業を続けたら、3日目あたりに激痛に見舞われてダウンしたことがあった。
あの時の原因は不安定な脚立の上でバランスを取りながら作業を続けて腰に負担がかかっているところを、ご丁寧にさらに寒風にさらして冷やしてしまっためだった。
今回は特に理由は見つからないのだが、強いて上げればローカということになるんだろーか。
けさは8時から円覚寺の坐禅会がある。
暖房のない厳寒期の大方丈で2時間座っていられるだろーか。
使い捨てカイロをべたべた張り付けていくにしろ、ここは思案のしどころである。日和っちゃおうか。どうしよう……
初音を求めて広町の森に分け入ったのだが…
時にあ~らずぅ~うと 声ぇ~もたぁてず~ぅ~♪
森のシンボル、オオシマザクラの巨木はまだじっと静かに春を待っている
その株元
通称トンボ池
暖かな日差しを浴びてはいてもトンボ池の底に動くものの気配はまだない
鎌倉山から見た富士山は春霞の彼方に浮かんでいるように見えるのだが…
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heihoroku
ひろ
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