来春の高校受験を控えて夏休み返上で勉強している姫が幼稚園児だったころ、わが家に遊びに来ると決まって「じいじのお家は森の中にあるみたいだね」と感心? していたくらいナンキンハゼやヤマボウシ、カツラ、ハナミズキなどの木々が庭に生い茂り、夏は誠に涼しい空間を用意してくれていたものだったが、いずれも晩秋には葉が落ち、その始末がいささか面倒ではあった。
特にナンキンハゼは、秋から冬にかけて白銀に光る実をついばみに沢山の鳥がやって来る人気のレストランだったのだが、落ち葉の量もかなりのもので、山の神に「あなたが掃除してくれるか、さもなくば切ってほしい」と泣き付かれ、数年前にやむを得ず伐採してしまった。
夏のナンキンハゼは蝉たちのリゾートマンションのようでもあり、特にアブラゼミが好んだようで、枝と言う枝に7~8匹ものアブラゼミが取り付き、全体では何十匹と言うセミが一斉に鳴いた時のボリュームは相当なもので、うるさいを通り越して「快感」さえ感じるくらい見事なものだった♪
毎年夏になると、その時の光景を思い出して懐かしさがこみあげてくるが、残しておいたらなぁ…という気持ちは今でも消えない。
ボクは樹木が葉を落とすのは当たり前なんだから放っておけばいい、庭に積もるだけ積もらせておけば森と同じで豊かな土になるのに、と思う口だが、住宅地では風が吹けば庭から道路や他人様の庭に落ち葉が飛び散り、迷惑千万なんだと言われれば、逆らう術がないのもまた事実で、スマンスマンと言いながら別れを告げたのだった。
あぁ、せめて2~300坪くらいの庭があったらなぁ…
土一升金一升の人口稠密の首都圏では見果てぬ夢だが、木々の間に暮らそうと思ったら姫が言うように「森の中のお家」に引っ越すしかないのが悲しい。
何せ、街路樹だって必要以上に枝葉をちょん切られ、まるでやせ細った杉のようなヒョロヒョロの樹形にされたりする世の中だものな。
神宮の森だってピンチは続いているんだろ?
トーキョーで暮らす人みんながみんな緑の嫌いな人たちばかりじゃないと思うんだが…
この花何の花?
直径5~6mmほどの小さな花を房状に咲かせる
5月ころから咲き始め、未だに咲き続けている
多年草らしくプランターに長年放置したままの株で、少々水が枯れてもヘッチャラ
薄紫色が可憐な花だが、実にしぶとく毎年毎年よく咲く姿には感心さを通り過ぎて呆れるくらい