夏大好き人間にとって「夏が終わる」という現実は、寂しくも悲しいものである。
大事にしたい…まだ終わらないでほしい…という願望が勝るせいか、常に夏の優勢さに変わりがないことを確かめつつ、一方で"忍び寄る影"を気にするようになる。
例えば昨日、夏の間部屋の中に入ることを遠慮するように遠ざかっていた日の光が、いつの間にか敷居をまたいで入り込んでいるのに気付き、その「無遠慮」をブログで嘆いた。
それにコメントを戴き、「うちでも5cmほど不法侵入!」と驚かれつつ、「暑いといっても、もうそこに秋風かも…なんてないですねぇ」とがっかりされていた。
その夕方、シャワーを浴びてベランダとの境の折り戸を全開にして涼んでいると、昼間の暑さはすっかり姿を消して、どことなく涼し気な空気が辺りを支配しているように感じられた。
近くの森からは降るようなヒグラシの蝉時雨が強くなったり弱くなったりを繰り返しながら聞こえてきて、「ん?! これって秋風の風情に近いんじゃ…?」などと、急にしんみりした気分にさせられたりして、「いやいや、まだまだ」と打ち消しに躍起になってみたり…我ながら往生際が悪いというか、未練たらしいというか…
大宇宙が正常に運航を続けているならば春から夏に季節が動いたように、夏が終わりに近づけば次の季節が…「まだ到着していません!」なんてことがあるはずもなく、ちゃんとスタンバっているのだから、ジタバタしては見苦しい。
そんなことを考え、今朝4時少し前に起き出してベランダに出て見ると空が澄んでいると見えて、星の数がいつもよりたくさん見える。
ん? 空が澄んでいるってことは…
少し前に書いたが、澄んだ東南の中空に冬の星座のオリオン座がいつの間にか姿を見せるようになっていて、ひときわ大きく明るく存在感を示している。
首をそらして天頂付近から北の方向に目をやれば、屋根ぎりぎりに秋から冬の星座であるカシオペアの「M」が光り輝いているのがはっきり見えた♪
こうして、まだ暗い夜空を見上げれば大宇宙の営みは既に夏から秋・冬へのシフトを始まていることを否が応でも知らされるのである。
そして耳元には夏の間はほとんど聞こえなかった虫のすだきが、これ見よがしにやけに大きく聞こえてくる。
リリリ…と涼しげなのはコオロギだろうし、ジジジ…や表現しにくい音がまじりあって、にぎやかなことだ。
こうして、端から次々と「証拠」を突きつけられては、現実認識を改めるよう迫られていくのである。
ナニ、こうみえてボクの往生際はよくない方なのさ。
簡単に認めたりはしないからな。
真っ赤なゼラニウムが夏の太陽と競っている
隣の小学生2人の若いお母さんから、タネを蒔いて育てた苗をいただいた
次から次に休むことなく良く咲いてくれる♪