空母ロナルド・レーガン。空母というフネは厄介で接岸する時は必ずブリッジがある右舷側を接岸させる。ブリッジが右に寄って作られているので右舷側はかろうじて見えるが左舷側は死角になってしまうためだそうだ
空母の鼻先を通り抜けるといったん東京湾に出る。この日は北風が強く、薄着で出かけたボクは寒さに震えあがった。船の案内放送によれば沖に見えるクレーン船の辺りに戦艦ミズーリが錨りを下ろし、その艦上で重光葵が降伏文書に署名したそうである。1945年9月2日のことである。歴史教科書などでは「東京湾上の戦艦ミズーリ艦上で」と書かれていたから、てっきり皇居に近い品川沖とか晴海の沖辺りかと思っていたので意外だった
地図で見ると四角い小さな写真の位置がその場所で、東京湾上と言うより「横須賀港の入り口」と言う方が正しい
クルーズ船は「取り舵一杯」で左に曲がりながら長浦港と呼ばれる湾の奥を目指す。軍港一帯は複雑な地形を為しており、その複雑に入り組んだ入り江や起伏を利用して弾薬庫などが設けられている
右手に捕鯨母船のように船尾の扉を開けた護衛艦が見えた。艦番号463の掃海母艦「うらが」5650トン
機雷除去に当たる掃海艇の指揮と支援のためのフネである。中曽根内閣の官房長官だった後藤田正治はたとえ機雷の除去と言えども自衛隊を海外派遣するのはまかりならんと反対し、中曽根が切望した中東・ホルムズ海峡への派遣を断念させた。今はそういう原則をきちんとわきまえて仕事をする政治家も役人もいなくなってしまったから閣議決定などと言う禁じ手で憲法9条が踏みにじられてしまうのだ。アベなんちゃらの罪は極めて重いのだ
左奥に見えているフネが潜水艦救難母艦「ちよだ」3650トン。この船は現在退役しスクラップになる運命だという。右手にちょこっとお尻と旭日旗が映っているのが後継艦の「ちよだ」5600トン。軍艦は機密の塊なのですべてスクラップにするのが定めだそうだ
右手に護衛艦がずらりと停泊している。左手奥が米軍エリア
152は横須賀の第11護衛隊所属の護衛艦「やまぎり」3500トン。その奥に153の同型艦「ゆうぎり」
119の「あさひ」は2月に就役して佐世保に配属されたばかりの5100トンの最新鋭艦。特に対潜哨戒能力に優れ、今後、南西諸島や対馬海峡などで中国やロシアの潜水艦監視の任務に就く
423は補給艦「ときわ」8150トン。洋上で護衛艦に給油するのを主な任務にしているテロ対策特措法で2002年から何度もインド洋などに出かけ国連軍指揮下の各国艦船に燃料補給を行っている
101「むらさめ」4550トン。むらさめ型護衛艦の1番艦。1996年の就役。『村雨』という名は日本海軍の伝統的なもので現在は4代目
このほかに右のYDT03は「水中処分母船1号型」という名の潜水作戦支援船。左の91は特務艇「はしだて」400トンで、国内の賓客や外国の将校団との会議や会食に利用される〝海の迎賓館〟だそうだ
これは183の「いずも」。満水排水量が26000トンもあり、防衛省内でひそかに空母転用計画が練られていることが新聞に出ていたが、この日は出航していて近くではお目にかかれなかった。掲載した写真は昨年8月23日に横須賀線電車内から撮影したもの
いずれにしても防衛省と自衛隊の得意技は「隠ぺい」であり、旧軍から引き継ぐDNAは「暴走」である。これは間違いないところだと思う。何とも厄介な実力組織なのである。油断ならないのだ。
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heihoroku
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