痛めつけられたバラの復旧作業の報告。
昨日はブログを書き終えた後、陽が上り切る前に何とか作業を終えようと6時前から庭に出る。
つるバラの「伽羅奢」はアーチに括り付けているので、本体には何の影響もないが、小枝の先に咲かせている花の重みもあって、幾十と伸びた小枝はてんでんばらばらの方角を向いてしまい、これはもう打つ手なし。
自然の回復力に任せるしかない。でも折れている枝は1本も無くほっと一安心。
同じくつるバラの「ニュー・ドーン」も傾向は同じ。壁面に括り付けてあるので、姿が乱れているのは5~60cm伸びたこれまた数十本の枝。
伽羅奢よりも長いので乱れた姿はひときわ目立つ。それでもこちらも折れてしまった枝はゼロ。
ヤレヤレでさすがはつるを伸ばして成長するだけのことはある。ヤナギのようにシブトイ。
道路側の「ローゼンタール・シュパリースホープ」「バレリーナ」などののつるバラ各種は何とか無事。
一方で株立ちのバラのダメージが大きく「ノリコ」は風にあおられ続けたためだろうが根が浮きかけてしまい、35度くらい傾いてしまっていた。
掘り起こして植え直す作業は株が大きすぎて、おまけに葉が茂っている今は無理。
これは来年正月過ぎのせん定時まで待つことにして、とりあえず太い支柱を打ち込み、そこに縛り付けて応急措置した。
雨が降ったりするうちに根が伸びて安定してくれれば…という思い。
でも正直言うとこれからの台風シーズンが心配。
台風の接近具合によっては支柱の数を増やさなければいけないだろう。
同じく株立ちの「ブラッシング・アイスバーグ」「バーガンディー・アイスバーグ」もノリコ同様倒れかけているように見えたが、しなやか過ぎる枝が花の重みで曲がってしまっていたことが判明。
これを立ち上がらせて一株に数本ずつ支柱を添えて姿を調えたがひん曲がった枝先はすぐにはまっすぐに戻らず、しばらくは寝乱れた髪の毛のようにくちゃくちゃな姿のままだろう。
かくして折れたのはもともと枝が硬いつるバラの「サハラ98」の徒長枝1本だけ。でもこれはよく見たら枝の内部の筋は繋がっていたので添え木をつけて動かないように固定したら一応元気でいるようで、とにもかくにも切り落とさなければいけないような損傷は1本も無かったのは何よりだった。
結局被害が集中したのは家のすぐ南側に植えた株ばかり。
特に株立ちのバラは一斉に同じ南に向けて倒れ掛かったり枝を垂らしたりしていたのが特徴といえば特徴で、長時間にわたって吹き付けた南風が家に当たった瞬間、行き場を失い元来た方向に戻ろうとしたため、すべての株が南を向いて倒れ掛かったり枝を圧迫されたようだ。
家にぶつかって戻る風の方が来る風以上に圧縮されて威力を増すのだ。きっとそうだ。
風が通り過ぎていく道路側のフェンスのつるバラにはほとんど被害が出ていないのがその何よりの証拠だろう。
まぁ致命的な被害というものはなかったが、これから開こうと待機していた数多のつぼみは徹底的に揺さぶられ、既に開いていた花は風に加えて強い雨に打たれ続けて見る影もない。
井伏鱒二の名訳を思い出しちゃったよ。
コノサカヅキヲ受ケテクレ
ドウゾナミナミツガシテオクレ
ハナニアラシノタトヘモアルゾ
「サヨナラ」ダケガ人生ダ
確かにメイストームってのがあるにはあるけど、こんなひどい嵐は初めてだった。
記憶に残るメイストームってやつになった。
かくして淑女たちの乱れ切った姿は写真にも撮れず、画像はゼロ。
今年はもうここまでの開花は見込めそうもないので、去年の庭の記録から
ところで、一昨日この大嵐をついて決行したわが句会のボクの提出句を以下に。井伏の名訳と並べるのは気がひけるが、記録なので…
兼題は「若葉」
来る風をはしゃいで受ける若葉かな
若葉燃ゆ衰退途上のこの国で
ホトトギス待つ間に届く初ガツオ
卯の花や転校先で友できる
夏嵐カッパ上下の句会かな
以上 オソマツサマ