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平方録

浦島太郎になってきた

雪国じゃあるまいし、雪とみぞれの週が何とか過ぎ去り、晴天2日目。

"春に3日の晴れなし"の言い伝え通りの天気予報が出ているし、相変わらず北風は冷たいけどパトロールしてこようという気になる。

そういえば、この時期になると昔は毎年のように尋ねた"ミツマタの寺"があったっけ、今はどうなっているのか…

小田急江ノ島線高座渋谷駅近くの曹洞宗の常泉寺。

東京・町田付近から発して江ノ島の目の前にした相模湾に注ぐ境川べりの自転車道を行けばいい。

ということで、いつまでもしつこい北風に逆らいつつ、北を目指して漕ぎ始める。

 

東海道藤沢宿の時宗総本山遊行寺の西側から境川に出る


4~500m上流のここから自転車道が整備されている


通称・境川サイクリングロードは総延長24.5㎞で、正式には県道451号藤沢大和自転車道と呼ばれる


広々とした田園地帯の中を川は南北に流れ、自転車道はそれに沿って伸びる


田植えの時期や稲が青々と育つ時期、そして黄金色の頭を垂らすころ…と飽きることのない景色が広がる


しかし、そういう牧歌的な気分に浸るのも短時間に過ぎない
南北を貫く流路は格好の風の通り道になり、天気予報の風速予報より強い風が間断なく吹き抜ける


終わりかけのウメの花を横目で愛でつつ、呼吸は荒くなる一方だ


小田急線湘南台駅(左方面)と横浜を結ぶ横浜市営地下鉄と相模鉄道の線路が前方を横切るあたり…
一層開けたこのあたりの風当たりはさらに強くなり、スピードが落ちる


だいぶ北上してきた
コースわきの田んぼではトラクターが黒々した土を掘り起こし、農作業が始まったようだ


ぼちぼち川から離れ、丘の上に上がった方がよさそうだと、坂の緩やかそうな地形を見定めて坂を上り始める
後で地図を見て分かったことだが、この道は古くから「長後街道」と呼ばれ、小田急線長後駅の脇に出た
 

長後駅の踏切を渡る 目的地は隣の高座渋谷駅周辺だからあと一息


いちいち地図は見ないが、太陽の位置を意識しながら頭の中の地図と照らし合わせ、大まかな方向を見定めて走るのがボクの流儀
(特にこの日は充電し忘れ、スマホの電池容量が50%を切っていたので写真撮影のみにしか使わず、地図昨日は封印したのだった)
橋の欄干を見て分かったのだが、この川は何と丘を一つ越えた引地川で、この川も相模湾に注いでいる
右手奥に見えているのは県立藤沢総合高校だった 


目指す常泉寺はもっと北のはず
左手に見えているガードレールの道を北上することに…


途中で畑を耕している人に常泉寺への道を聞くと、わざわざ畑から出てきてくれて丁寧に教えてくれ、その通り走ったらここに出た♪
自転車の距離計によれば、ここまでわが家から18㎞


何しろ30年ぶりの再訪である 見覚えがないくらいに変わってしまっていたのにはびっくり
そもそも左端に見える寺名を刻んだ大きな石などなかったものなぁ


何より参道の両脇から覆いかぶさるように伸びていたミツマタがこんな小さなものしかない…


このミツマタを見にやってきたというのに…


拝観料を掃う時に応対に出てくれた住職に聞くと、ここ数年の夏の猛暑ですっかり弱り、植え替えたのだという
背後に見えるハナモモの「照手姫」は健在のようだったが、咲いてはいなかった


住職曰く「30年前は1チャンネルから12チャンネルまで(言い方が古すぎる!)テレビが流すものだから、大変な人出で…。テレビはお断りしたいくらいだったものです」「境内の珍しい山野草も夏の暑さでいつの間にかみんなダメになってしまいました…」


というわけで30年ぶりの境内の様子は明日
 
 
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