1日に初音が届き、2日には近所の池と森の公園で数羽のウグイスが競うようにこれでもかと美声を張り上げるのを微笑ましく聞き、春が来たことを実感したものだった。
ところが、3日からは寒の戻りがやってきて、みぞれや雪をちらつかせて以降、ウグイスは声も立てず、静まり返ったまま。
あわや積雪か…と思われた昨日、幸いなことに日が昇るころにはすっかり解けてしまい、明るい陽光が降り注いだが、日中でも北風は冷たく、しかも強かった。
それでも、風が直接吹きかけてこない日だまりではポカポカと暖かく、森の中にもそういうところがあるはずだし、ウグイスだって美声を張り上げたいはず…と思って森に分け入ってみたが、うんともすんともなかったのには少しがっかりした。
ボクはと言えばちょっと寒いかなと思ったが、ダウンを脱ぎ捨てて薄手のフリースに替え、ズボンも真冬用の厚手のものからフツーの冬用ズボンに履き替えるという"やせ我慢"をして家を出たのに…
軟弱なウグイスはともかく、森の木々はさすがにちらほらと目を覚まし始めていて、まだ「山笑う」までには至らないものの「ちょっと微笑みかけたかな…」くらいまで来ているのは確実だった。
春は慎重に慎重に近づいてきているようである。
強い北風のおかげで池面にはさざ波が立っていた
北風は強いだけでなく、身を切られるような冷たさだった
森に分け入れば風が入り込まない場所があるもの

落葉樹の中に目の錯覚かと思えるような薄緑色の色彩を発見する

芽吹きが始まっていた

対になって芽吹いている

こちらではすでに本気モードで新しい葉が展張し始めていた♪

水際近くではジャヤナギの細かな枝先の色が明るい色に変わっているのがわかる

目を凝らすと気のせい以上に薄い緑に染まっているように見えるのはボクだけだろうか…

気のせいじゃないぞ 枝先が躍り出しているじゃないか♪

こちらのニワトコはもうここまで芽吹いていた

この森でも1,2を競う早起きだからそれも当然だが、今年は例年に比べると遅れている気がする

にはとこの新芽を嗅げば青臭し 実にしみじみにはとこ臭し 木下利玄
ニワトコの芽吹きを目の当たりにするたびに、木下利玄のこの歌を思い出す
実際に鼻を近づけて新芽を嗅いでみるが、青臭いどころかほとんど匂いはない
ただし、一面の裸木ばかりの中、まだ寒々とした空気の中でニワトコだけが芽を出し始める姿を見ると、何やら得体のしれないエネルギーを秘めた存在なのだということを、いやでも感じさせられる
実にしみじみ青臭し…なのである

こちらは我が家のアジサイの新芽♪

健気な感じがいい♪