もう随分前のことのような気がするのだ。
ボクは当初から反対だったが、臆面もなく"復興五輪"だなどと金切り声をあげてアベなんちゃらが大はしゃぎしたのには心底嫌悪感を抱いたが、今や世界中を見渡したって、あんな金食い虫に本気になる都市など少ないから、結局トーキョーに決まってしまった。
案の定、最近の世論調査によれば、被災地で暮らす人々の間でトーキョー五輪が復興に役立つと考えている人は3割にも満たないのだ。
五輪準備とやらのせいで被災地の復興現場は人手不足と資材不足に見舞われ、復興計画は軒並み大幅な遅れが生じているらしい。当然のことながら、その費用も膨らんでしまっている。
こんなことは当初から分かり切ったことで、国中あげて復興に力を結集しておけば、迅速に復興の槌音は高まったはずである。被災者の立ち直りだって早ければ早いほど楽で、スムーズに運んだのではないか。
こんなことは小学生でもわかる理屈だ。
何のことはない"復興お邪魔虫五輪"もしくは"復興そこのけ五輪サマが通る五輪"が、その正体なんである。
この国お得意の弱者無視路線、弱者切り捨て路線の見本中の見本と言って良い。だから犠牲者、被災者はいつだって浮かばれないのだ。
せっかくだけれど、少なくても招致国の何割かの国民が首をかしげるようなこの五輪が成功するかどうか、ボクははなはだ怪しいと思っている。
何よりもメルトダウンさせてしまった原子力発電所の問題が重くのしかかっている。
この問題に道筋をつけられないでいるのが致命傷である。
国民の大多数は原発がなくてもいい、と言っているのに、どうして聞く耳を持たないんだろう。
ところで、話は変わる。次への展開の落差が激しいことは承知の上だが、震災の当日は相模湾のしらす漁の解禁日でもある。
だから心の中の90%で震災に関する悲しみと怒りを思い、残りの10%で、今年のしらすの魚影はどうなんだと、気にするのである。
元旦から69日間の禁漁は資源保護のためである。この間は冷凍の釜あげしらすはあるらしいが、そんなものは口にしたこともない。狙いは鮮度抜群の生しらすなのだ。
これを口にできるのは産地ならではの特権だから、出来れば禁漁解禁日に、それが叶わないのであれば出来るだけ早く初モノを食べたいではないか。
神奈川県水産資源センターの調査結果がホームページに載っているが、相模湾ではカタクチイワシの漁獲量が減少傾向にある一方で、マイワシは増加傾向にあるらしい。親が増えれば子も増えるのが道理である。春漁のシラスは増加傾向にあり、解禁後は期待できそうだという。
これは嬉しいご託宣である。
ウグイスも鳴き出したし、次は日本酒で生しらすである。そう来れば春は本番と言って良いだろう。
相模湾のシラスの春漁は期待できそうだという
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