平方録

酒飲みの食いしん坊天国 奥羽路番外編その2

旅の楽しみの一つは何といっても食だろう。

その点で山形というところは豊かな平野が県内各地に広がっているので米は美味いし、野山もたっぷりあるので蕎麦やキノコ、山菜の類も充実している。
おまけに庄内の浜で揚がる日本海の豊富な魚種があり、片や米沢牛とか尾花沢牛、庄内豚なんていうブランド肉までそろっている。
そして忘れてならないのは酒どころだということ。実に様々な銘柄の日本酒が存在するから呑兵衛には文字通り垂涎の土地なのである。

しかも食通でもある友人夫妻の手引きでいろいろ案内されるのだから山形に行く度に美味しいものに出会い、その度に目からウロコがはがれていくものだからボクの目のウロコもだいぶ少なくなってしまった。
今回も同様で何枚か剥がれ落ちたのだが、その一つが「うるい」である。
友人宅に泊めてもらった際の夕食に出てきたもので、シャキシャキとした食感がとても気に入った。
軽く湯がいたところを適当な大きさに切り刻み、出汁をかけ、その上から鷹の爪とクルミを細かく刻んだものを振りかけて和えたものなのだ。
どうやら山菜の仲間のようで、当地ではとてもポピュラーなもののようだが、ボクの暮らす町では見かけた記憶がない。

で、農協の大きな直売所に並んでいたものを買って帰り、家で再現したらこれが酒の肴に合ってとても良かった。
惜しむらくは時々でも手に入るといいのだが、流通網に乗るほどの量は採れないのかもしれない。

そして…!
「うるい」を肴にして飲んだのが「雪の茅舎」という秋田の酒 ♪
なぜ秋田なのかって、3日目に泊った山形と秋田の県境にある秘境・鷹の湯温泉は秋田県側にあるのだ。
その帰り道に寄った道の駅の酒のコーナーの、そこだけ売れてしまっていて空きスペースになってしまっていた棚に「遅かったじゃない、待ってたよ」と言わんばかりに唯一1本だけ残っていた一升瓶をゲットしたのだった。

このお酒こそ3月10日付の当ブログで書いた秋田県由利本荘市の酒蔵の杜氏・高橋藤一さんの作った酒なのだ。
NHKのプロフェッショナルで紹介されて知ったのだが、人が余計な手を出さず、酵母菌に自然に備わった力を発揮してもらうためにだけに力を貸すという、これまでの酒造りの常識をひっくり返した杜氏である。
品評会では19年間に13度も最高賞を獲得した逸品なのだ。

肴にした「うるい」がよかったのか、純米吟醸の酒は実に雑味のない、と言ってもさらさらしたものではなく、結構豊潤さを感じさせる味わい深い酒で大いに気に入った。
しかも2000円ちょいで買える手ごろさなのだ。
呑兵衛杜氏のタカハシサンの青の温厚そうな笑顔が思い出されて、こちらも飲みながら思わず笑みがこぼれる ♪

山形の酒に強敵現る…だね。



これが「うるい」。長さが50~60cm


こちらは約30cmと短め


一番左がうるいのくるみ和え。コップの白い液体はミルクじゃないよ、どぶろくだよ。こいつもまたおいしゅうございました。コップの右上がカンゾウのお浸し。これも珍しい。右下は豆乳鍋。


友人宅での〝最後の晩餐〟は地元野菜たっぷり ♪ の豆乳鍋


これが由利本荘の蔵の「純米吟醸 雪の茅舎」


今回の旅で飲んだのは「大吟醸 絹」に「純米吟醸 十四代」の生酒。生酒はどうしても甘口になる


そして紅白のどぶろく 紅はちょっと酸味が強すぎだが、普通の白いそれはとても美味しい


「裏 雅山流」。このほか写真には撮らなかったが米沢の秘湯では「住吉」の辛口も飲ったし、秋田の秘湯でも地元の酒を飲った
この辺りの酒は本当に美味しい ♪


山形はそば処でもあり、山菜そばを頼むと山菜とキノコがたっぷり入った鉄鍋が出てきて、これを小鉢に移してそばをつけながら手繰る
西川町の蕎麦屋で食べ、美味しかったがここよりももっと美味しいところを知っているもんね ♪


キノコも山菜もたっぷり


鷹の湯温泉は湯沢市にあり、湯沢と言えば稲庭うどん ♪ 鴨せいろうどんを食しましたナ、美味でしたナ、さすが本場ですナ


鷹の湯温泉ではきりたんぽが出た


イワナの付けみそ焼きも


イワナの刺身は初めて食べた


山形2泊目に友人宅にお世話になった時に食事に出かけ、あきれるばかりのハムの数々を口にし


生ハムの数々も赤ワインをぐびぐびやりながら…


ところ変われば品代わるで、山形新幹線の終点・新庄で好まれているソウルフードのもつラーメンを食す
さっぱりした味わいのスープもモツも良かったが、麺がうどんのような冷麺のような…でいまいち


山形県南部の米沢郊外の小野川温泉のもやしラーメン
ここは温泉地熱を利用した長さ20cm超の豆もやしのが栽培されていて、茎がシャキシャキしているのが特徴で、久しぶりに食べて美味しかった

コメント一覧

heihoroku
おはようございます。
湯沢からタカハシサンの蔵のある由利本荘まで100キロほど離れていて…
道の駅で見かけたときは棚に「NHKのプロフェッショナル」云々の張り紙もあり、ボクがゲットできた1本を残して空っぽでした。
間一髪 ♪ 運命的出会い ? ♪

そうですか、名古屋のスーパーにはうるいがありますか。
いいなぁ。
もう少し探してみます。
まだシラスも獲れていないみたいだし、美酒にはおいしい肴が必要ですからね ♪
ひろ
まんぷく~~
https://blog.goo.ne.jp/hirotosaiseikai
おはようございます。
奥羽路の美酒に美味いろいろ、〆のラーメン迄 まんぷく~♪
タカハシサンのお酒との運命の出会いも!最高の旅ですね!

山の幸「うるい」信州で初めて食べて好きになり、たまに買います。
この頃は近くのスーパーでも買えるのです。
現地でいただく感激の味ではありませんが・・・
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