平方録

予定どおりってことさ

政府の「国際金融経済分析会合」の初会合が開かれたとかで、招かれた講師役のアメリカのノーベル賞受賞学者が「消費税は総需要を増加させるものではないので、引き上げは今のタイミングでは適切でない」と述べ、10%への消費増税の延期や積極的な財政出動を提案した、という記事が新聞に出ていた。
新聞は続けてアベなんちゃらが「大変良い示唆をもらった」と感想を述べたとも伝え、「増税延期の布石だ」というトーンの記事にまとめている。
どうやら気付いたようである。

自慢ではないが、わがブログでは既に元旦に消費増税の見送りを指摘しているところで、ついに尻尾を出したかというところである。
それもこれ見よがし、と言ってよいだろう。
アベなんちゃらには世界の経済状況なんかどうでもいいのさ。
狙いはただ一つ。「国民主権」「平和主義」「基本的人権の尊重」の三大原則を持つ進歩的な憲法に我慢がならず、どうにかして国民の権利を狭め、国際紛争を仕掛けて兵器産業を軸に経済を活性化させようという、物騒な魂胆なのだ。

自民党の改憲草案を見れば一目瞭然だが、憲法が権力を縛るものというマグナカルタ以来の考えをきっぱりと捨て去り、権力どころか逆に国民の権利を制限し、国民を縛りつけるものに書き換えようというのである。
時代錯誤も甚だしいが、かつての自民党ならこうした考え、方向性について、表立って反対の意思表示をする者が現れたはずなのだが、今は誰も声を上げない。
既にそういう幅広く柔軟な議員が集まる政党ではなくなってしまった、ということか。烏合の衆の集団になりさがってしまった。

この憲法改正の悲願を遂げるためには参院でも3分の2の議席を確保して、憲法改正の発議をしようというのである。
そのためには何でもやる。
有権者の歓心を買って、自民と公明に票を集めるためには何でもする。それが政権発足当初からのゆるぎないスタンスなのである。


消費増税の先送りなんて格好の材料だろうさ。
参院選の直前にこれを決めれば、有権者の何割かは確実に自民党に投票するね。
アベなんちゃらの表面的な政権運営は国民の人気取りばかりだ。
大衆迎合主義。典型的なポピュリズム。消費増税の見送り以外にも沢山ある。

例えば、つい最近では保育園の募集に外れ続けた女性がブログで「日本死ね!!!」と書いたら大反響が広がって、当初は知らん顔していたアベなんちゃらも、女性を敵に回したら憲法改正どころではなくなると、大慌てで対策に乗り出す泥縄ぶりである。
遡れば、オリンピックのメーン会場の建設費用が膨大だと国民のひんしゅくを買ったとたん、手のひらを返してちゃぶ台返しのような白紙撤回を決めて見たり…。
一方で、多数派を形成しているうちに数の力で強引に押し通してしまえとばかり、原発の再稼働を強引に進めるし、何てったって憲法を無視した昨年の「戦争法」成立しかり。
だが、これから数カ月は“平身低頭路線”“国民の顔色うかがい路線”をひたすら突き進む。で、3分の2の議席を確保したとたんに手のひらを返して好き放題、という魂胆なのだ。

昨日、勤めていた会社の女性秘書から事務連絡の電話があって、久しぶりなのでよもやま話をしたが、男の子ができて戦争法には怯えるほどだったのだが、「でも今の野党のどこも頼りないですから…」と急に歯切れが悪くなった。
そう、こういう人たち、こういう有権者の目をくらますには、消費増税の見送りなんか絶好のエサになるだろう。




片瀬山下、柏尾川の橋のたもとのサクラが満開になっていた


大磯丘陵では山が笑い始めている
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