平方録

山法師とつったい肉そば

昨日の朝、鎌倉は氷点下1度だったそうである。
ベランダから庭に下りて新聞を取りに行ったのだが、戻ってみると背中と右わき腹の間の筋がものすごく痛む。
転んだわけでもなんでもない。
ポストから新聞を抜いて戻ってきただけの話である。
歩数にして往復50~60歩程度のはずだ。
キツネにつままれたような感じである。

思い当たることといえば、階段しかない。
階段は2段である。
思い起こしてみると、寒かったので身を縮めて外に出たことは確かである。
この階段を降りる際、腰から上の上半身は縮んでいるのに、下半身は足を下に伸ばしているんである。しかも、降りたらすぐ右に方向を変えなくてはいけない。
たった2段だけれど、その2段を降りる時に身体の上下のバランスが崩れ、筋を痛めたとしか考えられない。

ちょっとしたことで病院にかかる友人が「医者の奴はなんでもカレイだカレイだと片づけたがる。魚屋じゃあるまいし…」とぼやくのを聞いたことがあるが、今度の痛みも原因は多分それである。
実に情けないことだが、加齢による劣化が進んでいて、思わぬところできしみが生じると、それに堪えられないとみえる。
寝がえりを打つにも往生するし、寝ていて起き上がろうとすると猛烈に痛む。
わが肉体にもカレイちゃんが忍び寄っているのは確かなようだが、冗談じゃない。
しっしっ !

狂った身体のバランスは身体を動かして直そうと、風は冷たかったが実にすっきりとした青空に明るい光がさしていたので、借りていた本を返しに中央図書館まで歩いて行った。
真っ直ぐ行けば4キロなのだが、風は冷たいものの、冬型の気圧配置で晴れ渡った空はやけに青く、明るい光も降り注いでいたので遠回りして海沿いをたどって行った。
しかし、眺望を期待した富士山も箱根連山も伊豆の山々にも雲がかかっていて、まったく見えないのには失望した。
これも春の兆しのひとつなんだろうか。そうだとすれば喜んでもいいことかもしれない。

本を返し、昼時だったので駅前に回って、えべっさんの前にある山形の蕎麦を出す店に立ち寄った。
椅子が6っしかないカウンターだけの小さい店だが、そこがいいのだ。
山形は天童と赤湯出身の若者がやっている店で、酒も食材も山形にこだわった店である。

そこで肉そばを頼み、「つったいやつ」といったら、おやっという顔をされた。
ナニ、驚くこたぁねぇ、おいらもちったぁ山形通なのサ。
壁に山形の地酒ばかり、梅酒も含めて20~30銘柄も並んでいるから、全部あるのかと聞くと「あります」と答えるので、その中から「山法師」を頼んだところ、「東根ですね」という。酒蔵の所在地である。

「山形の良さを知ってもらうために頑張ってます」という心意気やよし!
今度は夜に来てくださいといわれたが、飲み過ぎてしまいそうで、さて、どうしよう。



つったい肉そば。山形の肉そばは鶏肉。左のおかめのおちょこで山法師を飲んだ。
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