メイストームのような雨と風が去って、今朝は曇り空ながら何事もなかったような静けさが戻ってきている。
2階のベランダには「空蝉」と「ノリコ」の鉢植えがあり、空蝉は一番花が終わったところで目につく被害はなく、ノリコの方は花びらが吹き飛ばされたりして痛々しい姿になっている。
問題は庭に植えたバラたちだが、怖くて見に行けない。
朝ごはんを食べた後、恐る恐る庭に出て、さまざまな後始末をしなくちゃならなくなるのだろうが、いやはやなんとも…である。
今年のわが家のバラはいつもの年と比べて開花が遅く、やっと3つ4つの種類で盛りを迎えているが、まさにその盛りを狙われ、せっかくの花が台無しではあまりに悲しい。
これから咲こうとしている種類のバラも、大きく膨らんだツボミが強風で煽られ、揺さぶられ続けただろうから、咲く前から株の姿が台無しになっている可能性が高い。
花茎が折れたりしてやしないだろうか…
寒中のせん定や肥料を施すなどして大事に大事に育ててきた挙句がこのざまとは…
そしてもう一つ、信じられない衝撃が待っていた。
わが家のバラの中でもボクが大事に育てている「空蝉」と並んで、もう一つ大事にしてきたつるバラの「伽羅奢(ガラシャ)」が株の上半分ほどが枯れ死してしまったのだ。
玄関へのアプローチに置いたアーチに絡ませて10年余り。
アーチが花で埋め尽くされるほど旺盛な咲きっぷりで、家の前を通るご近所さんからは「通るのが楽しみ」「きれい!なんという種類ですか」などと賛辞が寄せられてきたが、それがツボミを膨らませたまま、葉から生気が失せ、カラカラになってしまった。
確かにここ1、2年は樹勢の衰えというか、シュートの本数が減るなど、衰えが目立ったのは確かだが、開花を前に枯れるとは思ってもみなかった。
このバラの作出者は横浜イングリッシュガーデンの河合伸志スーパーバイザーで、先日同園を訪れた時に生みの親に相談しようと思ったが、生憎不在で、弟子でガーデナーのK君に話すと、「エッツ、出ましたか。伽羅奢に特有の症状なんです。10年過ぎると極端に樹勢が衰えて、ある日、自然に枯れちゃうんですよ」という。
「人間で言えば自然な老衰死ってこと?」と聞き返すと、「まぁ、そんなもんです。病気じゃないし、害虫にやられるわけでもない。自然と命が尽きるというか…」と言われてびっくりした。
確かにわが家の伽羅奢は植えてから10年以上経つし、毎年旺盛な花付きで見る者の目を楽しませてきたのだからつるバラ冥利に尽きるというものだろうが、それにしても老衰とは…
まだ株の半分が残っているとはいえ、これから失われた部分が再生されるわけもなく、K君も「新しい株に植え替えたほうがいいです」というので、そうしようと思うが、よりによってこの花の盛りの時期にまさか…の思いは消えない。
いろいろ思いがけないことが起こるものである。
"嵐"の前のブラッシングアイスバーグ
うふふふふ…♪
バーガンディーアイスバーグ
"嵐"のまえのこの光景は、今どうなっているだろう…
門柱の「バレリーナ」は無事だろうか
玄関へのアプローチのアーチに絡めた「伽羅奢」の先端部分半分が枯れ死してしまっている
下半分はかろうじて残っているのだが…
在りし日の「伽羅奢」(右)左は「バレリーナ」 2021.5.15 撮影
角度を変えて