午前5時を過ぎて風雨が強くなってきた。
パソコンのある部屋の目の前のカツラの木の葉が時たま大きく左右に揺さぶられ、ガラス戸に打ち付ける雨音もヒステリックの度を増す。
日付が変わるごろから降り出した雨は今夜10時過ぎまで続くという予報で、雨量は180ミリ!にもなりそうだと、前夜の天気予報は言っていた。
井伏鱒二は于武陵の漢詩「勧酒」を「ハナニアラシノタトエモアルゾ 『サヨナラ』ダケガ人生ダ」と訳したが、サクラの季節…特に満開になるころになると決まって"春の嵐"がやってきてサクラを散らしていく。
そんな中で何故か、今年の南関東のサクラは無事に満開を迎え、そして微風に誘われてハラハラと散っていった。
そして季節が廻りバラの時期になると今度はメイストームという狼藉者がやってきて、初夏の生気溢れる瑞々しい自然界をひっかきまわしていく。
そういう清明な季節の只中で艶やかに豪華に、そして静かに咲き誇るバラの花の、そういう姿が目障りでもあるかのように狙いをつけ、そしてさんざん傷めつけて去っていく。
花散らしの雨…風…などと表現すれば、やや抒情的に聞こえもするが、ダメージは計り知れない。
今年のバラがまさかこの"嵐"でおしまいになってしまうとしたら…まさかそこまでは…と思いたい。
それにしても相当傷めつけられるだろうなぁ…
3日連続で登場させた横浜イングリッシュガーデンの「今年のバラ」はこれでおしまいです