何だか開き直っているように見えた。
語気まで荒げ、ついには気色ばむ様子さえ見せた。
全国の1日のコロナ感染者が初めて2万人を突破する一方、東京都では6000人に近づくこれまでで最大の感染者を出した昨日、官邸でコロナ対応に当たる関係閣僚との会議を開いた後、ぶら下がり会見会見に応じたガースの対応である。
心得違いも甚だしい。
第一、対策と言えば欧米から周回遅れでようやく始めたワクチン接種一本やりで、それ以外の対策はと言えば「安心安全、国民の命を守るのが政府の努め」と言いながら、必要な医療さえ受けられない状況まで国民を追い詰めているのは一体だれの責任なのさ。
記者が厳しい質問をぶっつけるのは至極当たり前じゃないか。
そして、昨日の関係閣僚会議で決めたのは入院できずに家で療養していて様態が悪化した患者に対応するための酸素ステーションを準備することと、重症化防止に効果があるとされる中和抗体薬を投与できる拠点を作るということだけ。
ちゃんちゃらおかしい。
こんなことは第4波に苦しんだ関西の状況を他山の石と認識し、どういう備えをしておくべきかを神戸の医師から学習した墨田区の医師会の提言に沿った墨田区が既に実施していて効果を上げているそうじゃないか。
ここでも政府の無能ぶりが際立つわけで、さとく賢い自治体は政府の判断を待たずとも自分たちで出来る範囲のことをやっている。
ワクチンの周回遅れと言い、国民の大多数が反対する中、しかも緊急事態宣言が出されるに及んでもなお、五輪開催を強行した結果、感染爆発を引き起こしてしまったことと言い、ガースの対応ぶりは疑問符だらけだ。
おまけに国会を開いて国民の声を聴こうともしない。
奴は国民の命と健康を守ると言っているが、はっきり言ってウソだ。
守りたいのは自分の地位であって、いかにして総選挙で勝利してソーリダイジンの地位を守るかしか頭にない。
そのためにどうするかをまず考えるから、肝心のコロナ対策については少しづつズレ、ついには大きなズレが生じてしまっているという悪循環に気付こうとしていない。
ぶら下がり会見の最後に至極まともな質問が飛んだ。
「感染拡大を招いたこれまでの総括や反省がなければ、国民に政治の言葉は届かないと思う。これまでの取り組みとその結果を、どのように受け止めているのか」と。
これに対する答えに呆れかえった。
曰く「自己評価するのは僭越だと思う」…誰が自己評価なんか質問したのさ。こういうのをトンチンカンと言う。
そして声まで荒げて自己弁護が始まる。
「高齢者へのワクチン接種は7月いっぱいですべて接種を終えた。1日100万回の接種も実現した。世界中でロックダウンしても、罰金を科してもなかなか守ることが出来なかったじゃないか。(何のこと言ってるの?)。やっぱりワクチンだということで人流抑制とともにしっかり取り組んできている。国民の皆さんには不満があるかもしれないが、ワクチンも10月初旬までには希望する8割の国民に打ち終わることができるように全力で取り組んでいく」と。
途中で弾丸切れを起こし、今だってワクチン不足の最中だというのに…しかも周回遅れの事なんか、歯牙にもかけていないそぶりだった。
何だか哀れにさえ感じた。荷が重すぎたんだ、きっと。
この間にも感染者は爆発的に増えていく。
そういう現実には目をつぶり、ワクチンワクチンとナントカの一つ覚えで突っ走る気のようだ。
哀れなのは国民の方だった。
(見出し写真は庭のホトトギス、ミズヒキ、キンミズヒキ、ミソハギ、ネコジャラシ)